「伝統野菜スープ つなぐ」ごろごろ赤味噌スープ(画像提供:Lawin株式会社)

愛知県の伝統野菜を使ったオリジナル商品「伝統野菜スープ つなぐ」が話題となっている。愛知縮緬(ちりめん)かぼちゃ、天狗(てんぐ)なす、十六ささげなど、県指定の「あいち伝統野菜」など、十数種類の野菜がたっぷり入っているという。

このユニークな商品を開発したのは、名古屋大学農学部4年生で、食品の企画販売をする会社を起業した、Lawin代表の柘植千佳さんだ。

Jタウンネットは愛知県に電話して、柘植さんの話を聞いてみることにした。

「愛知には、こんな美味しい野菜があるんだ」


あいち伝統野菜「天狗ナス」をグリルしている様子(画像提供:Lawin株式会社)

柘植さんは電話で次のように答えてくれた。

「地元の農家さんを訪ねていて驚いたことは、出荷されない野菜がいかに多いかということでした。見事に美味しそうに完熟した野菜も、虫に食われていれば出荷できません。大きすぎる、小さすぎる、不恰好、規格外......、さまざまな理由が出荷を阻むのです」。

「農家さんが愛情こめて作った大切なお野菜、おいしいと言ってもらえる畑の味を、忙しい社会人にもお届けしたい、ということで『お手軽ピューレ』という商品を開発し、おかげさまで初めの8700個は完売しました」と柘植さん。


お手軽ピューレ(画像提供:Lawin株式会社)

今回の新商品「伝統野菜スープ つなぐ」も、地元の農家さんとの対話の中から生まれた商品だ。

「愛知固有の伝統野菜は、流通しにくい、栽培方法が確立されていないといった理由で、だんだん栽培されなくなり、生産量が少なくなってるという話を聞きました。地域ならではの特徴ある、美味しいお野菜が無くなってしまうのは、本当に残念な話だと、私自身も衝撃を受けました」。


ベースのスープに入れる十種類の野菜(画像提供:Lawin株式会社)

「現代の人でも少しでも伝統野菜を口にしていただけるよう、個性的すぎてどう食べたらいいかわからないという次世代のために、電子レンジでチンするだけのごろごろ野菜スープを開発しました」と柘植さん。

スープは、豊田市の日東醸造「足助仕込(あすけしこみ)蔵」の白たまりなどを使って10時間以上煮込んだ秘伝の出汁がベース。和風、八丁みそ、クリーム、スープカレーの4種類がある。


国産の牛骨や鳥肉などを10時間以上煮込んだ出汁(画像提供:Lawin株式会社)

「10時間以上煮込んだ秘伝の出汁に、10種類以上の野菜をふんだんに盛り込んだ愛知のご当地スープです。愛知に眠る伝統野菜の存在を少しでも知っていただきたいと思っています」。「愛知には、こんな美味しい野菜があるんだ」ということを少しでも知ってもらいたいと、柘植さんは力説する。


じっくり煮込む野菜のベース(画像提供:Lawin株式会社)

「私の個人的なおススメは、あっさりしたスープカレーです」と柘植さんは語る。「ちょっとしたスパイスが野菜の味を引き立ててくれるので、何杯でも食べれちゃいそうです。あと疲れた時は、クリームスープもいいですね!焼きかぼちゃの甘さがミルクのなめらかさと合わさって、疲れてるときにはとっても癒されます」。


「伝統野菜スープ つなぐ」ごろごろクリームスープ(画像提供:Lawin株式会社)

「愛知には、愛知だからこそ生まれる風や音や気候や文化があって、愛知という地域だからこそ生まれる昔ながらの手間のかかった調味料やお野菜がある。そいういう地域ならではの個性ある魅力を私は守り続けていきたいし、県内外の人にお届けしたい、そう思いました」。

商品名「伝統野菜スープ つなぐ」の「つなぐ」には、生産者と消費者をつなぐ、伝統野菜と次世代をつなぐという、二つの意味が込められている、とのこと。


伝統野菜の畑で天狗なすを持つ柘植千佳さん(画像提供:Lawin株式会社)

柘植さんが販売する「伝統野菜スープ つなぐ」「お手軽ピューレ」は、農家と消費者をつなぐための情報サイト「Kodawarin」で購入できる。Facebookからも情報発信している。

10月29日には、豊田市で「秋の大収穫祭」が開催される。東海地域の農家さんの直接こだわりや想いを聞きながら、農家さんの持ち寄った旬の野菜とお肉をバーベキューする企画だという。

「食材を売買する市場のようなところではなく、持ち寄った食材を通して、テーブルを囲んで一緒に炭火で焼き合います」と柘植さん。

「農家さんと一体になりながら、交流の場を提供したいなと思っています。『どうして農家になったの?』『どうしてこんなに美味しいお野菜が作れるの?』など、ざっくばらんな話をしながら、交流を深めてほしいです」。