初の日本武道館でワンマンライブ『HEAVY POSITIVE ROCK』を開催したSuG

 5人組ビジュアル系ロックバンドのSuGが2日、東京・日本武道館でワンマンライブ『HEAVY POSITIVE ROCK』を開催した。彼らにとって初の武道館公演となるが、この日をもって無期限活動休止に入る。SuGの10年の集大成を見せるようにダブルアンコールを含む全32曲を披露し、7000人のファンに涙と笑顔をもたらした。メンバーそれぞれがファンやスタッフに感謝の気持ちを述べ、フロントマンの武瑠(Vo)はSuGとしての活動を振り返りながら「10年間、夢もなかった一人の男の子の生きる糧になってくれてありがとうございました!」とファンに熱い想いを最後に届けた。

本当に幸せ

武瑠(Vo)

 会場には、待ちに待った武道館公演に嬉しさを込みあげて笑顔を浮かべる者、今にも泣きそうな表情をしている者、そんな二つの感情が多く見られる姿で溢れていた。開演時刻を過ぎると新SEの「mark」が流れ始め、ステージのスクリーンにはカウントダウンの文字が映し出される。カウントが終わると、メンバーがステージに登場しフロアからは盛大な歓声が上がる。そして武瑠が「揺らせ! 武道館!」と叫ぶと、SuGが武道館を見据えて制作した新曲「AGAKU」で幕を開けた。会場では、観客が腕を上げて飛び跳ねる光景が広がる。

 そして、「今日は一緒に盛り上がろうぜ武道館!」と武瑠がフロアを煽り、さらにChiyu(Ba)が「オイ! オイ!」と場内を煽るとアッパーチューンの「HELLYEAH」、「不完全Beautyfool Days」を連続で披露していく。

 武瑠は「待ってたか武道館! 今日ここに、約7000人が集まっています。メンバー、ファン、そして、それら全てを連れたSuGの10年の歴史が奇跡を起こしました。ありがとうございます!」と念願の武道館に辿り着いた想いを語る。

 そして武瑠はダンサーを引き連れ、ポップチューンの「Toy Soldier」、観客がタオルを豪快に振り回す光景が広がる「無限Styles」を披露し、会場のテンションをさらに上昇させる。「無限Styles」では、Chiyuが「タオルだせ!! ない奴はブラジャーじゃ!」と笑いを誘いながらフロアを煽っていた。

masato(Gt)

 中盤のMCで武瑠は「武道館、こんなに美しい景色で心を込めて、心を削って、心を引っ掻いて書いた曲を歌えるのが本当に幸せだなと思います」と会場を見渡しながら、喜びを噛み締めた。

 その後、序盤の明るい空気感から一変し、極上の美しい名ラブバラード「桜雨」を披露。同曲のミュージックビデオがスクリーンに映しだされる中で、儚さ溢れる楽曲を優しく、繊細に奏でていく彼ら。その光景は、とても美しく観客の涙を誘う。

 「桜雨」に続いて、心に染みわたるラブバラード「無条件幸福論」、武瑠がギターをかき鳴らす姿が印象的なエモーショナルなロックナンバー「Howling Magic」を披露。観客も静かに聴き入り、彼らの演奏を心に焼き付けているようだった。

 感動的な瞬間を作り出した後は、shinpei(Dr)、Chiyu、masato(Gt)、yuji(Gt)の各メンバーがソロで演奏を披露し、それに合わせてダンサーが踊るという演出を見せる。Chiyuがアルトサックスを吹く場面もあり、会場からも盛大な歓声が起こった。

このメンバー5人を本当に誇りに思います

yuji(Gt)

 後半戦はSuGのメジャーデビュー曲「gr8 story」、心を病むような現代病に対して想いを綴った、SuGなりの救出ナンバー「SICK'S」を続々と畳みかける。

 続けて「10th ANNIVERSARY MEDLEY」として、インディーズ時代の楽曲「Alterna」、メジャーデビュー後の「Crazy Bunny Coaster」などを含む7曲を披露。会場では、新旧織り交ぜたメドレーに観客が喜々とした表情を浮かべる。

 「ラストいこうか! 最高に暴れにいこうか!」と武瑠が叫ぶと、SuGなりの応援歌「39GalaxyZ」を披露。星型の紙吹雪が舞い散る中、武瑠は<臆病で弱いこのぼくを変えてくれたのはSuG(きみ)だから>と歌詞を変えながら歌い、会場のボルテージをマックスにさせた状態でステージを去っていった。

 鳴りやまないアンコールに応え再びステージに戻った5人は、優しく包み込むようなミディアムナンバー「dot.0」を披露した後、メンバーひとり一人の想いを言葉にしていく。

Chiyu(Ba)

 shinpeiは「今日のライブを持って俺らは動きが止まって、5人でステージに立つのが最後だと思っています。本当はね、今日凄く不安だったんですよ。武道館やるっていったらさ、かっこ悪い景色でできないじゃん。やっぱりお客さんが入った状態で最高の景色を見せたいなってずっと思っていて。それで今日を迎えて、蓋を開けたらこの景色ですよ。本当にこの景色は俺ら5人じゃ作れなくて、何よりもライブに来てくれたみんなが頑張ってくれたからこその景色だと思っています。本当に幸せで、感謝しかないです。幸せな場所をくれたみんな本当にありがとうございました」と涙ながらに感謝を届けた。

 Chiyuは「いっときは音楽を離れようかと思ったんですけど、お前には立ち続けて欲しいって言ってくれる人がいたり、ファンの皆さんからそう言って貰えるのが、凄くありがたいなって気持ちが出てきて。考えた結果、自分は止まらずに表に出続けてベースを弾き続けたいなって結論に至りました。SuGのベースのChiyuとして、これからも一生やっていきたいと思います。SuGという名前を守っていきたいと思います」と今後の活動についても言及。

 yujiは「今日は3つ言いたいことがあります。1つ、皆ありがとうございました。2つ、活休(*2012年の一時活動休止)のときよりもしんみりしてなくて、俺的にはやり残したことがないのかなって感覚です。思い残すことがないです。3つ、皆SuGを通して出来た繋がりとかあるでしょ? そういうのがSuGをやってた意味なのかなって思ったので、これからもSuGで出会った人たちとか繋がりをね、大事にしていって欲しいと思いました」とファンへの想いを語った。

 masatoは「武道館が止まる場所になるのが自分的には、腹正しいレベルで悔しくて。だけど、SuGにとっては一番綺麗でいられる所を選んだのはこの武道館なので…色んな人の気持ちに応えられないことがめちゃくちゃ悔しいんですけど、だからこそ、10年やってきた全ての気持ちや、想いをぶつけて、全部やりきって、ここで終った事を一生悔しみたいと思っています。10年やって、物凄い沢山の人に愛されたんだなって痛い程伝わりました。めちゃくちゃ幸せです。みんなのことが本当に大好きで、愛してますし、皆に感謝を伝えたいです」と悔しさを明かしながらも、感謝の気持ちを述べた。

 最後に武瑠は「10年の歴史が連れてきてくれたこの最高な景色ありがとうございます。5人で強がって、誰も逃げずに無謀な武道館公演に挑戦したこのメンバー5人を本当に誇りに思います」と涙ながらに語る。続けて、自身の活動の原点となった10代の時に見たHYDEのライブを振り返り、「やりたいこととか、夢を探してみるっていう第一歩を13年前この場所で、踏み出せました。これは漫画とか映画の主人公じゃなくて、無気力病だった少年がただ踏み出して夢になって叶えられた話です。だからきっとここにいる人達も絶対できると思います!」とSuG充(ファンの呼称)に熱い想いをぶつけた。

shinpei(Dr)

 さらに、「13年前の自分と一緒に歌うイメージをして書いた曲です。歌ってください」と「teen Age dream」を披露し、10年間の想いを言の葉に乗せていく。

 そして「CRY OUT」、5人で制作した熱きSuGの生きざまを表す「Smells Like Virgin Spirit」を披露し、ライブは終了した。

 しかし、SuG充の力強いアンコールの声援に応えWアンコールを実施。アップテンポな「LOVE SCREAM PARTY」、銀テープがヒラヒラと飛び交う中でシンガロングが巻き起こった「ときどきすてきなこのせかい」を演奏し、SuGらしい“Heavy Positive Rock”という名にふさわしい音楽の世界を存分に発揮し、この日の公演を終えた。

ライブのもよう

 ラストに武瑠は「最後までただカッコつけて終れない、ぐちゃぐちゃでダサくて弱くて、それでも前を見て進んできた俺たちを支えてくれたスタッフ。そしてファンのみんな…。(生声で)ありがとうございました!!」と涙ぐみながら叫び、「10年間、夢もなかった一人の男の子の生きる糧になってくれてありがとうございました!」と再び感謝の言葉を述べ、ステージを締めくくった。

 彼らは、最後まで“Heavy Positive Rock”という独自の音楽スタイルを貫き、この10年間で多くの人々に笑顔や希望を咲かせたそんなバンドであったと改めて実感する武道館公演であった。【取材=橋本美波】

初の日本武道館でワンマンライブ『HEAVY POSITIVE ROCK』を開催したSuG 武瑠(Vo) masato(Gt) Chiyu(Ba) yuji(Gt)
shinpei(Dr) 武瑠(Vo) yuji(Gt)&masato(Gt) 武瑠(Vo) ライブのもよう
yuji(Gt) shinpei(Dr) Chiyu(Ba) masato(Gt) ライブのもよう
ライブのもよう ライブのもよう ライブのもよう ライブのもよう
セットリスト

『HEAVY POSITIVE ROCK』
2017年9月2日 日本武道館

SE. mark
01.AGAKU
02.HELLYEAH
03.不完全 Beautyfool Days
04.Toy Soldier
05.小悪魔 Sparkling
06.B.A.B.Y.
07.無限Styles
08.桜雨
09.無条件幸福論
10.Howling Magic
11.セッションコーナー
12.sweeToxic
13.契約彼女、生贄彼氏
14.FRIDAY!!
15.gr8 story
16.■ギミギミ■
17.SICK’ S
18.mad$hip
19.メドレー(Alterna〜俺式Continue〜R.P.G. ~Rockin’ Playing Game~〜Vi-Vi-Vi 〜武士道 -bushido- FREAKY〜Fast Food Hunters〜Crazy Bunny Coaster)
20.39GalaxyZ

Encore

EN1.dot.0
EN2.teenAge dream
EN3.CRY OUT
EN4.Smells Like Virgin Spirit

W-encore

WEN1.LOVE SCREAM PARTY
WEN2.ときどきすてきなこのせかい

※■の正式表記は星形