「これ、やっても大丈夫?」働く妊婦が無理しちゃいけない11個のこと

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妊婦がやっていいこと・よくないことを判断する方法

女性の社会進出と共に、出産・育児と仕事とのバランスをいかにとるかは誰にとっても課題。以前に比べて働く女性は出産・育児がしやすくなっているものの、まだまだ不安になったり、迷ったりすることも多いものです。

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妊娠したらすぐに産休に入る人もいれば、お腹が大きくなるまで働き続ける人もいます。個人差はありますが、妊娠中に働く場合、「どこまでやっていいの?」と通勤・仕事で不安になることも多いでしょう。

産婦人科クリニックさくらの院長、桜井明弘先生によると、妊婦がやっていいこと、よくないことというのは、厳密に決まっておらず、そうしたデータもないのだそうです。

明確な基準がないという中、もし仕事で妊娠中に「これ、やっても大丈夫?」と不安になったときにはどうすればいいのでしょうか。(※今回お話いただいた内容は、すべて健康な妊婦さんを想定しています)

桜井明弘先生「一つの判断基準として、私はこのことをよく妊婦さんに伝えています。やっていいかどうか迷ったら、お腹の大きい妊婦さんがそれをやっていて違和感があるか、ないかで判断することです。

例えば、お腹の大きい妊婦さんが、駅までダッシュしたり、自転車に乗って高速で走ったりしているのは危なっかしくて見ていられませんよね。また、煙草もお酒も、お腹の大きい妊婦さんはやりませんよね。実際、そういう方を見かけることもありません。

『お腹が大きい妊婦さんならやらないな』と思ったら、まだ妊娠初期のお腹が小さい時期でも、やらないほうがいいです」

妊娠中に無理しちゃいけないことって?

お腹が大きい妊婦さんがやりそうにないことは避ける。仕事で生じるあらゆる行動についても、その判断基準で考えてみましょう。

でも、具体的な細かい行動で、無理をしてはいけないことの判断がつきにくい場合もありますよね。

そこで桜井先生に、通勤、仕事スタイル、飲み会、社員旅行などそれぞれについて伺いました。

通勤

■1.電車

「乗ってはいけないことはありませんが、首都圏の通勤ラッシュではお腹がぶつかる可能性があるため、ラッシュは避けたほうがいいでしょう。

また、つわりや体調の変化で電車通勤が厳しいのであれば、職場に遠慮なく申し出て、ラッシュの時間を避けるために出社時間を調整してもらったり、時短勤務にしてもらったりすることも大切です。自車通勤に切り替えるのもいいでしょう。とにかく無理はしないことです」

■2.車

「よく聞かれますが、車の振動は問題ありません。ただ、運転をしているときに陣痛がきたり、破水したり、出血したりするなど突然の症状に対応できない可能性も。妊娠後期の車通勤は避けたほうがいいでしょう」

■3.自転車

「自転車の振動で流産するといったことはありません。ただ、私は自転車は避けたほうがいいと思っています。なぜなら自転車は万が一、事故になったときにトラブルが大きくなりやすいからです」

■4.ダッシュ

「ダッシュはやめたほうがいいですね。内臓をひねったり、お腹が痛くなったりする可能性があります。また、自転車と同じで転ぶとお腹をぶつけるなどのリスクが、普通に歩いているときより大きくなります」

■5.歩行

「普通に、適度な距離を歩くのはかまいません。むしろ歩行は妊娠中の運動不足解消や筋力維持、カロリー消費には必要でもあります。筋肉が落ちると、自然分娩の場合はいきむ力が衰えてしまうため、難産になることもあります。

ただ、運動はマタニティスイミングやマタニティビクス、マタニティヨガなど、妊婦さんが行っていいとされるものに留めてください。腹筋や腕立て伏せなどの筋トレは、お腹が圧迫されるものがほとんどなので避けましょう」

仕事のスタイル

■1.座り仕事

「基本的に、座り仕事が一番楽です。ただ妊娠中は脚がむくみやすいので、座りっぱなしではなくストレッチをしたり、お行儀は悪いですが、椅子の上に足を挙げたりできるといいですね」

■2.立ち仕事・外回り

「立ち仕事も外回りも、無理のない範囲であればかまいません。ただ、基本的にすべての仕事において無理をしないこと。職場に相談して、時々座らせてもらう、座ってできる仕事に切り替えてもらうなどして対策しましょう」

■3.出張

「短期間・近距離でリスクがなければとくに問題はないでしょう。ただ、必ず産婦人科の担当の先生に相談してから行くようにしてください」

■4.夜勤

「これも無理をしないのが基本。つらければ、夜勤から外してもらいましょう。妊婦さんは夜勤をやらないと職場に言う権利があります」

喫煙・飲み会

「妊娠中の煙草とお酒は、赤ちゃんが小さく産まれてしまうことにつながるため、絶対にやめましょう。血流が悪くなるため、栄養が赤ちゃんに行き届きにくくなり、育ちが悪くなるためです。

職場の受動喫煙について気になる場合には、遠慮なく申し出て相談しましょう。

飲み会はお酒を飲まないのであれば出席してもいいですが、楽しくなかったり、疲れたりする場合には無理しないこと。飲み会の場でも、適切な休憩は必要です。付き合いは無理をしない範囲で行いましょう」

社員旅行

「旅行については、さまざまな議論がされています。海外はもちろん、国内であっても旅行はできるだけ避けたほうがいいですね。

旅先の遠方の地でレジャー中、体調にトラブルが起こり、その地域の病院に入院することになり、出産するまでいなければならなくなったというケースも実際にありました。どうしてもという場合には、近距離に留めましょう」

基本はお腹の大きい妊婦さんをイメージして判断すること。そして細かい行動についてはケースバイケースで対応を。

もちろん、判断がつかないことについては遠慮なく産婦人科に問い合わせるようにし、自己判断で無理をするようなことは避けましょう。

【取材協力】産婦人科クリニックさくら 院長 桜井 明弘先生

平成6年 順天堂大学医学部卒業、同大学産婦人科助手、賛育会病院勤務を経て、平成19年4月産婦人科クリニックさくら開設。平成27年3月から一般社団法人美人化計画代表理事。2015年9月、生活習慣など妊活を詳しく取り上げた『あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由』を上梓。