福士蒼汰は母親にも嘘をついていた? 『愛してたって、秘密はある。』第8話で描かれた愛とエゴ

写真拡大

 自分の息子が罪を犯した時、どうするだろうか。自首をすすめ罪と向き合わせるか、一緒に罪を背負い嘘を貫きながら生きていくのか。後者を選んだ奥森晶子(鈴木保奈美)はやがて罪の隠蔽に終始するあまり周りが見えなくなってしまってしまった。息子・黎(福士蒼汰)を守るための行動は、黎を縛り付けているだけなのかもしれない。そして黎と晶子がそれに気づいた時、初めて罪を償うことができるのだろう。第8話ではついに黎が初めて本当の意味で自分の犯した罪と向き合うことになる。

(参考:『愛してたって、秘密はある。』結婚の条件に隠された3つの謎 秘密受け入れた2人の行く末は

 風見忠行(鈴木浩介)の部屋から頭蓋骨が見つかったことにより、奥森皓介(堀部圭亮)の失踪は殺人事件と見なされ、警察も本格的に動き出した。「俺の罪を風見先生にかぶせることなんかできないよ」と嘆く黎に「じゃあどうするの? 爽ちゃんに言うの? あんなに黎のこと思ってくれてる子に本当のこと話せるの? 言ったでしょ。嘘は最後まで吐き通せは幸せになれるって」と詰め寄る。それは母としての愛なのか、捕まりたくないという恐れなのか。少なくとも、晶子も追い詰められていることは確かだ。

 黎が自室に戻ると見覚えのない包みが。奥森の頭蓋骨が入っていたものと同じ包装で恐る恐る開けるとそこには手の骨が入っていた。黎は覚悟を決め、包みを押入れへと戻した。

 黎の周囲は「まさか奥森くんが被害者遺族になるなんて」と心配していた。“加害者に寄り添っていきたい”という黎の弁護士として掲げる理想を汲んだ上で「お父さんを殺した犯人にも同じように思える?」と投げかける香坂いずみ(山本未来)。この言葉で黎は、今まで晶子の言葉に甘えて罪と向き合っていなかったことを自覚する。

 黎は自分の罪と向き合った結果、全てを立花爽(川口春奈)に話したのち自首することを決意。晶子へ書き置きを残し、家を出る。爽は何か言いたげな黎に気を使い明るく振る舞う。黎は「俺、爽と出会えたこと神様に感謝してる。ずっと深くて暗いところにいたんだ」と話を切りだす。「なに? 急に」と戸惑う爽に続けて「爽と一緒に生きていきたかった。爽が笑ってると俺もいつのまにか笑ってて。できることなら俺が爽を幸せにしたかった。でも……」と殺人という業を背負った心を救い上げてくれた爽へ感謝を伝え、本当のことを伝えようとする。しかし爽は何かを察し、キスで口止めをした。「結婚式なんかやらなくていい。だから結婚をやめるなんて言わないで。今日ずっとそう言おうとしてたんでしょ」と震えまじりに話す爽。「これからもっといろんなことが起こるかもしれない。お父さんのことで。黎が辛い時、何もできなくてもそばにいたい。家族として」。これが爽の罪を背負って共に生きていくという覚悟だろう。しかし黎は、またしても本当のことが言えなかったと後悔する。

 書き置きを見た晶子は「絶対にダメ!」とひどく困惑、狼狽してしまう。そしてその拍子で黎の部屋にあった手の骨を見つけてしまう。悟った晶子は「DIARY 2006」と書かれた日記を涙ながらに燃やし、その骨を持って警察へ。「11年前、夫の奥森皓介を殺したのは私です」と無表情で語る。驚きを隠せない警官と全く表情を変えない晶子。そして晶子が自首したという知らせを受けた黎。警察へ向かっていた足を引き返し「トゥーランドット」を口笛で鳴らし、怪しげな表情を浮かべる。

 今まで純粋な思いで自分の罪と戦っていたように見えた黎だったが、果たしてその真意は? 謎が謎を呼ぶ物語はついに佳境へと突入していく。

(馬場翔大)