カイア・カネピ【写真:Getty Images】

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全米OPで「なおみ旋風」止めたカネピ、感染症で闘病「スポーツに一切触れたくなかった」

 テニスの全米オープンは2日(日本時間3日)、女子シングルス3回戦で世界ランク45位の大坂なおみ(日清食品)が元15位のカイア・カネピ(エストニア)に1-2で敗れ、四大大会初の16強進出を逃した。1回戦で前回覇者の6位アンゲリク・ケルバー(ドイツ)から大金星を挙げるなど、アメリカに巻き起こった「なおみ旋風」を止めたベテランは病魔により昨年、引退危機に直面していたことを明かしている。地元紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じた。

「もう足の状態を良くするために治療を受けたいとも思えなかった。もう、どうでもよかった。スポーツにまつわることに一切触れたくなかったの」

 記事によると、32歳のベテランは絶望の日々をこう語ったという。昨年、歩くだけで激痛を生み出す両足の足底筋膜炎に加え、エプスタイン・バール・ウィルスというヘルペス・ウィルスの一種に感染。自己免疫疾患を促すウィルスがもたらす様々な痛みに苦しみ続けたという。

 病魔との戦いの日々で、テニスとの距離を置いた。読書に励み、ドライブをしては国内の友人を訪ね、愛犬と戯れる日々を過ごしたという。

「ハワイにも行ったわ。それまでバケーションもとったことがなかったから。私はどうすべきかずっと考えていたの。テニスには疲れ果てていた。休憩が必要だったわ。長ければ、良かったの」

418位まで転落も運転免許に通い取り戻した愛情「テニスの世界も同じ。集中力が必要」

 フィンランドで凍った道路を運転するための免許センターにも通い、2008年北京五輪の男子円盤投げ金メダリスト、ゲルト・カンター(エストニア)とトレーニングをする以外はテニスのことを忘れた日々だったという。

 そして、いつしか、テニスへの愛情を取り戻した。

「凍りついた通りを運転するときは気をつけなければいけないの。テニスの世界でも同じね。集中力が必要。テニスよりも、ドライブの方が今では才能があるかもしれない。でも(氷上運転とテニスが)相乗効果をもたらすように努力しているの」

 一時はランキングを418位まで下げながら、今大会は予選から勝ち上がり、3回戦は勝負所でミスを犯した大坂とは対照的に極限集中力を発揮。逆転勝ちに結び付けた。

 一時は回復すら諦めるほどの地獄を見ながら、病魔の絶望に打ち勝った32歳の集中力こそが、新進気鋭の大坂を倒した大きな要因だったかもしれない。