北朝鮮の朝鮮中央テレビが昨日3日(2017年9月)午後、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載の水爆実験に成功した」と発表した。北朝鮮の核実験は6回目だが、気象庁などの地震観測ではこれまでで最大のM6.1。爆発の規模は推定で70キロトンとされる。北はさらに、9日の建国記念日までに、7回目を行う可能性がある。

人工的な地震が観測されたのは、3日午後零時半(日本時間)。震源は北東部の豊渓里(プンゲリ)で、北の核実験施設がある。衛星による観測では、以前から実験の準備は完了しているとみられていた。

また、労働新聞は実験の3時間前、金正恩・朝鮮労働党委員長が、核兵器研究所を訪問した写真を公開していた。長さ1メートルほどのひょうたん型の金属容器の前に立つ金委員長。その背後のパネルには、ICBM「火星14型」の弾頭に収まった水爆の図が示されていた。

発表通り水爆の小型化に成功したとなると、米本土に到達可能な「火星14型」が直ちに脅威となる。安倍首相は「容認できない。断固抗議する」と語った。菅官房長官は、「水爆の可能性は否定できない」と述べた。

米のトランプ大統領はツイッターで、「北朝鮮はならず者国家で脅威となった。中国に恥をかかせた。北との対話はうまくいかないだろう。アメリカは北とビジネスを行う国との貿易停止を検討している」と述べた。

中国、ロシアも強く抗議

各国からも抗議の声が上がった。中国外務省は「断固反対するとともに厳しく糾弾する」。ロシア外務省は「国連安保理決議や国際法を無視している。もっとも強い非難に値する。深刻な結果を招きかねない」

安倍首相は昨夜、トランプ大統領、ロシアのプーチン大統領と電話で会談した。「プーチン大統領とは、深刻な脅威であるとの認識を共有した」「トランプ大統領とは、これまでになく強い圧力をかけていくことで一致した」と話した。

北の核実験は、金正日時代の2006年10月が最初。1キロトン、M4.9と小さかった(広島は約15キロトン)が、09年5月には2度目、2〜3キロトン(M5.3)と進化した。

金正恩委員長になって13年2月、6〜7キロトン(M5.2)=小型化。16年1月、6〜7キロトン(M5.0)=水爆と主張。16年9月、11〜12キロトン(M5.3)=核弾頭用小型化、と進み、今回は70キロトンの水爆、ICBM搭載となった。

加藤浩次「北の発表はその通りなのか」

軍事アナリストの西村金一氏(元防衛省情報分析官)は、「水爆ではない」という。水爆は通常、3000〜1万キロトンとされる。また、旧ソ連の水爆の弾頭は長さ8メートルもあった。「こんな小さいのはありえない」と。

ただし、「新型の起爆装置の可能性はある。水爆に近づいている」という。また「小型化には成功したかも」と見る。昨年9月の5回目に、核弾頭の小型化をしているので、今回でミサイルに載せられるようになったとみる。

西村氏はさらに、「近いうちにさらに強行する可能性がある」という。理由は、豊渓里には、今回の実験に使われた地下への坑道の他に、もう一つ坑道があり、そちらも準備が完了しているとみられるからだ。「9日の建国記念日までには」という。