起床の合図が面白い!江戸時代の将軍の生活は自由時間がほとんどなく大忙し

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将軍の生活というと、さぞかし豪華と思いきや、実際は自由な時間もほとんどなくせわしかったようです。具体的にどんなふうに過ごしていたか将軍の一日をみてみましょう。

起床や食事などの合図といえば「モウ」

夜が明け「明け六つ」になると、夜勤の御小姓が「モウ」というモウ触れで、将軍の起床です。御小姓や御小納戸がうがいや洗顔、歯磨きを手伝います。ちなみに歯磨き粉は、御典医が作った香歯磨き粉と赤穂産の焼き塩で、歯ブラシは川柳製の房楊枝を使用したそう。もちろんこの時代に洗面台などありませんから、たらいで洗顔します。

そして、朝食の合図は、再び「モウ」。月代(さかやき)や髭を剃ったら、髪結をしながら朝食タイム。朝食後は、奥医師の健康診断を受けます。奥医師は、6人交代で毎日勤務していて、総勢30人。2人1組で、交代で診るので、時間もそれなりにかかったようです。

着替えて、ようやく大奥入り。将軍は、朝・夕方と1日2回御台所に会うのですが、これを総触れ(そうぶれ)といいます。総触れがおわったら、御台所と一緒に徳川家代々の位牌に拝礼しました。総触れと拝礼の順番が逆のときもあったよう。

やるべきことはたくさん!

そして、将軍は中奥に戻って普段着に着替え、午前10時頃から文武の修業時間です。剣術や弓術、儒教・歴史の講義が終わったら、昼食の合図はやっぱり「モウ」。事前に、御前奉公が味見をしています。昼食後は、のんびりと…はできず、公務がおまちかねです。御側御用取次が書類を読み上げるのを聞いて、指示・決済をします。

政務が無事に終われば、ようやく1時間ほど自由時間になるのですが、この政務は2~3時間で終わればいいくらい。ごくわずかな自由時間には、御小姓とおしゃべりをしたり読書を楽しみます。

夕方の入浴後は、またまた「モウ」の合図で夕食です。中奥で食べることもあれば、大奥で食べるときも。食事は柔らかいものばかりで、二の膳やお酒がつくこともあります。大奥で就寝するときは宵の内に伝達して、夜五つ(午後8時頃)に大奥入り。

午後9時には、就寝。もちろん、このときも「モウ」が合図です。1日の大半を中奥で過ごし、政務やら文武に務め、タイムスケジュールも決まっているので、将軍も大変。時間を気にせず1人で気ままにお出かけ、なんていう生活に憧れていたのかもしれませんね。

参考文献:大江戸暮らし、教科書には出てこない江戸時代