トップセールスマンと結婚した妻を待ち受けていたのは意外な展開だった

毎週月曜夜7時から放送中の「結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち」(TBSテレビ系)。人気番組「プロ野球戦力外通告」「プロ野球選手の妻たち」を手掛けるスタッフが、夫を支える妻の姿を通して、夫婦の愛と葛藤に迫るドキュメンタリーだ。

夫婦となった2人が永遠の愛を誓う結婚式。幸せの絶頂であるはずのその日に、とんでもないサプライズに見舞われた妻がいる。今夜4日のオンエアに登場する主役妻の宮明日香さん(42)だ。

明日香さんが後の夫、利之さんと出会ったのは28歳のとき。この頃、明日香さんは舞台女優として活動しながらも、生活費を稼ぐため、銀座のクラブでホステスのアルバイトをしていた。

利之さんは大手化粧品会社のセールスマン。業績は社内1位で年収は軽く1000万円を超えていた。

「皆にすぐおごっちゃったり気前も良いし、この人と結婚したら幸せだなって」(明日香さん)

披露宴で飛び出した夫の「会社辞めます」宣言

そう考えた明日香さんは、舞台女優の道をあきらめ、利之さんと2007年に結婚する。その披露宴には250人もの参列者が集い、華やかなムードに包まれた。そんな中での新郎スピーチ。同僚や親族を前に夫の口から驚きの言葉が飛び出した。


夫・利之さんは関係者250人を前に披露宴の場で「会社を辞める」と言い出した

「とりあえず来年から(会社辞めて)別のことをやるかもしれないので。すみませんが宜しくお願いします」(利之さん)

「えっ?」(明日香さん)

まさかの「会社辞めます」宣言。新婦・明日香さんにとっても、寝耳に水の出来事だった。

実は利之さんはセールスマン時代、接客用のトーク術を学ぶため、YouTubeであるものを見まくっていた。それは落語。やがてその魅力に取り憑かれ「落語家になりたい」という思いが抑えられない状態になっていた。披露宴から数週間後。利之さんは本当に会社を辞めてしまった。

「これをやると決めたら、そこ一本で行くような人なので説得する余地もなかった」(明日香さん)

年収1000万円のセールスマンと結婚したつもりが、夫が突然、無職に。ここから明日香さんの人生は劇変する。

2008年、夫は31歳で落語家・桂伸治一門に弟子入り。「桂宮治」という芸名に。修業中の夫は、朝から晩まで師匠の下に通い詰めた。


明日香さんは結婚後も銀座でホステスの仕事を続けることに……。

現実を突き付けられたのは、夫の給料だ。「明日香、遅くなったけど今月分の給料」と手渡された封筒。ある程度は覚悟していたものの、空けて愕然とした。夫の月収はたったの3万円。師匠からもらう小遣い銭のみだった。

「彼の収入はあてにできないので自分だけが頼り。(銀座を)辞められないですよね」(明日香さん)

妻は出産わずか2カ月後に銀座へ復帰

そう考えていた矢先に明日香さんの妊娠が発覚。2010年、長女の和奏(わかな)ちゃんを授かり、銀座の仕事を辞めざるをえない状況となる。しばらくは、お互いの貯金で乗り切ろうと考えていた明日香さん。しかし、夫に貯金がいくらあるのか尋ねてみると

「・・・ゼロ」(利之さん)

独身時代、派手な生活を送っていた夫の貯金はなく、明日香さんのわずかな貯金を切り崩す極貧生活へと突入した。

住まいは、築15年の古いアパート。中でも一番苦労したのは、食事のやりくり。どうやってお金をかけずにご飯を作るかで、明日香さんは毎日、頭を悩ませることとなった。思いついたのは、納豆ご飯、納豆卵焼き、納豆ネギソバなど、安くて栄養のある納豆づくしメニューでしのぐことだった。


安くて栄養のある納豆を駆使した料理でしのぐことに。利之さん、明日香さん夫婦の劇変人生は、TBSテレビ『結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち』9月4日(月)放送でも紹介

「基本的には納豆と卵とネギさえあれば生きて行けるっていうのを身を持って感じた」(明日香さん)

ただ、「このままでは生きて行けない」と考えた明日香さんは、出産からわずか2カ月で銀座のクラブに復帰する。

「自分はシングルマザーと思って、(夫も含めて家族を)食べさせていくぐらいの覚悟で働こうと思いました」(明日香さん)

毎日、夕方になると、夫の実家に我が子を預ける。別れ際、泣きだす子供に、後ろ髪をひかれる思いで銀座へと向かった。そして仕事を終え、我が子を引き取るのは夜中の2時過ぎ。昼間は育児に追われ、妻の睡眠時間は3時間を切った。

銀座に復帰して半年。心身ともに追い込まれた明日香さんは、ついに限界を迎えることとなる。いつもどおり、出勤しようとした矢先、玄関先で倒れてしまったのだ。そのまま動くことすら出来なくなり、緊急入院することに。

「結婚して『こんなはずじゃなかった』(と思い詰めて)。どん底だったかもしれないですね」(明日香さん)

過労と精神的ストレスが原因だった。

夫の突然すぎる落語家転身から10年。月収3万円の極貧生活を送っていた夫婦は今、どんな暮らしをしているのか。ご自宅にお邪魔してみると、妻は3人に増えた子供の育児に追われていた。


かつてセールスマンとして活躍していた夫・利之さん。落語界でも転身後の短い期間で頭角を現した

出産直後から銀座勤めをして家計を支えた明日香さん。散々迷惑をかけた夫だが落語への情熱だけは本物だったようで、2012年、入門からわずか5年で新人落語家の登竜門、NHK新人演芸大賞を受賞。昨年あの「笑点」新メンバーの候補にも挙がった。

その実力やいかにと、大先輩の落語家・三遊亭小遊三さんに聞いてみると

「うちの協会のバリバリの星ですよ!真打になってもらわなきゃ困る」(三遊亭小遊三)

今では先輩落語家からも一目置かれる存在に

今では、先輩落語家からも一目置かれる存在だ。実力は十分。どうやら妻・明日香さんは銀座を卒業することができた様子。となれば、気になるのは、月3万円だった夫の今の収入である。

「まあ何とか食べていけるくらいですね」(明日香さん)

利之さんの主な収入源となっている寄席のギャラは、現在、月に20万円ほど。家族5人が暮らすには心もとない。そこで、家計の大きな助けとなっているのが頼りになる御贔屓さんだ。そのお食事会を覗いてみると、出ました。

「はい、御車代」(御贔屓さん)

お車代1万円。こうしたスジからいただく「お小遣い」は、ありがたい臨時収入となる。さらに、この宴席には妻・明日香さんと子供たち3人の姿が。すっかり逞しくなった落語家の妻。食費を浮かせようと、ちゃっかり家族でご相伴にあずかっている。


突然、落語家に転身した夫との結婚を妻はどう思っているのか? 利之さん、明日香さん夫婦の劇変人生は、TBSテレビ『結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち』9月4日(月)放送でも紹介

「自分たちでは、子供を連れてこういうところに来ることはまずないですから、ありがたいですよね」(明日香さん)

最後に聞いてみた。突然、落語家になった夫との結婚は『正解?』『後悔?』

「後悔ですよね。やっぱりこんなに苦しい思いをするはずじゃなかった……。でも、また生まれ変っても、この人かなって思います!」(明日香さん)