雑味がなく、スッキリとした味わいの「黒霧島」は、女性や焼酎初心者など幅広い層から厚い支持を獲得した

写真拡大

九州のロングセラー商品の秘密にせまる「メインド・イン・九州」。今回は、霧島酒造の「黒霧島」をピックアップ!

【写真を見る】“黒”に特化したマーケティング戦略が成功要因の1つ

■ 黒霧島900ml(998円)

伝統的な黒麹仕込みのトロッとした甘さと、キリッとした後切れのよさが特徴。芋焼酎特有のクセのある香りがなく、お酒が苦手な人でも飲みやすい軽やかな味わいが人気だ。

■ 芋焼酎業界のパイオニア

“クロキリ”の愛称で親しまれ、今やその知名度は全国区にまでなった本格芋焼酎「黒霧島」。その誕生は1998年までさかのぼる。同社の主力商品であった「霧島」の売上が伸び悩んでいた際に、新たな目玉商品を、と手がけたのが始まりだ。当時は白麹(しろこうじ)仕込みの焼酎が全盛期だったが、芋焼酎の原点に戻って黒麹(くろこうじ)を採用し、“食事を引き立てる芋臭くない焼酎”というコンセプトで開発を進める。「芋焼酎=芋臭いもの」という固定観念を切り捨てた、実に斬新なアイデアだった雑味がなく、スッキリとした飲み口は、従来の焼酎ファンだけでなく、女性や焼酎初心者など幅広い層から厚い支持を獲得。第3次焼酎ブームや、その後の“黒”ブームの後押しもあって、一躍、メジャーな商品となり、焼酎業界に“黒の焼酎”という新ジャンルを開拓した。 

創業100周年、宮崎の小さな酒蔵に始まり、80年間おもに地元で愛されてきた霧島酒造は、現在、本格焼酎業界No.1の売上を誇る。今でも、味の指標となるのは、地元で“旨い”と称される酒かどうか。伝統の味を守りながらも、さらなる高みを目指している。

■ ヒットの裏側

他社との区別化を図るために、芋焼酎ではなく“黒の焼酎”という新カテゴリーを独自に開拓する。発売当時、食品に黒色を用いるのはタブーという常識があったにもかかわらず、黒を基調としたラベルを採用し、「黒ラベル」「黒麹」など、“黒”に特化したマーケティング戦略が成功要因の1つとなった。

【九州ウォーカー編集部】