貴公子然とした面持ちの向こうに、激しい闘志をのぞかせた。ジッダ入り後、初めての非公開練習を終えた日本代表FW武藤嘉紀(マインツ)は5日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦に向け、「自分にとっては消化試合ではない。まず第一にゴールを取っていきたい」と力強い口調で言った。

 8月31日のオーストラリア戦(2-0)では欧州組でただ一人、ベンチ外の屈辱を味わった。23人のベンチ入りメンバーから外れることを指揮官から告げられたのは「最後の最後」(武藤)だったと明かし、「そのために準備してきたので悔しかった」と振り返った。

 当然、サウジアラビア戦にかける思いは強い。しかも、今回は相手にとってW杯出場を懸けた試合であり、すでに出場権を確保している日本にとっては難しい試合になることも予想される。

 だが、武藤はそれも歓迎している。「相手はあとがないという厳しい状況。苦しい試合になるのは間違いないけど、だからこそとても楽しみ。ゴールを取れば自信になるし、アピールになる。エゴイストに、我を強く持ってプレーしたい」と力を込めた。

 武藤の強みは1トップでもサイドでもプレーできること。1トップで出る場合は「しっかりおさめないといけないし、なおかつ、走る量を増やさないといけない」。そして、左サイドなら「暑さの中でも上下運動をしっかり行い、ゴールに直結するプレーをしたい」と言う。

 W杯予選ではほとんど出場機会がなく、貢献できなかったという悔しさが残っているが、「日本がW杯に出るチャンスを手にしたのだから、そこに出られればいいと考えている。そのためにもここからが大事になる」と表情をさらに引き締めた。

(取材・文 矢内由美子)


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