8月にマイナーチェンジししたダイハツ工業の軽乗用車「ムーヴ」。(写真: ダイハツの発表資料より)

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 本来、自動車販売台数は新車発表などでかなりばらつくので、月ごとの数字に一喜一憂しても仕方がない。しかし、半年、1年と動向を見ていくうちに、意外に社会の情勢を映し出すのが自動車販売台数だ。

【前月は】【7月の新車販売】前年比2.9%増も、プリウス落ち込みで普通・小型車の伸び率鈍化

 8月の新車販売台数の総数は、前年同月比5.5%増の35万5,308台であった。2016年11月から10カ月連続で増加している。

 このうち、日本自動車販売協会連合会が発表した新車販売台数(乗用車・貨物車・バス)は前年同月比4.7%増の23万3,810台であった。7月は1年ぶりにマイナス(1.1%減)となっていたが、再び増加に転じている。乗用車は同2.8%増の19万6,169台、貨物車は同14.3%増の3万5,863台、バスは同56.4%増の1,778台となった。

 一方、全国軽自動車協会連合会が発表した新車販売台数は前年同月比7.2%増の12万1498台であった。4月から5カ月連続でプラスとなっている。乗用車は同6.8%増の9万4,654台で6か月連続のプラスと、普通・小型車よりも軽自動車は好調に見える。貨物車も同8.4%増の2万6,844台と5カ月連続のプラスになった。

 軽自動車の総販売台数をメーカー別にみてみると、日産が前年同月比30.5%増と大幅に伸ばしており、燃費不正の影響で前年は販売が落ち込んでいたが復調してきている。シェアトップのダイハツ工業は同9.7%増、2位のスズキも同7.0%増で、依然好調である。3位のホンダは同8.8%減と苦戦しているが、9月発売の主力軽自動車「N-BOX」が、今後寄与してくるものと思われる。

 そのほか、軽自動車の総販売台数ではトヨタが同22.4%増で日産に次いで伸び率がいい。さらに、軽乗用車だけで見てみると同41.2%増となっており、トップである。

 いずれにしても、軽自動車へのシフトは止まらず、国民の実質所得が増えないことと、家計における通信費などの負担が大きいことなどの影響が出ていると見るべきだろうか。

 もう一つ、自動車に対する受け止め方に変化をきたしているとも読み取れる。この数年ミニバンなど、走る楽しさよりも、運搬やマイルームなどの感覚、つまり実用に供する感覚が強くなっており、カムリなど「ハイオーナーカー」などと、車をステータスシンボルとする見方が、社会全体ですたれてきているようだ。