プラズマクラスタースカルプエステとかっさアタッチメント(写真:シャープの発表資料より)

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 シャープは世界初の「AQUOS 8K」を発表した翌日の9月1日、頭皮エステ効果を高めたドライヤー「プラズマクラスタースカルプエステ IB-HX9K」を発表した。「AQUOS 8K」の興奮の陰で、プラズマクラスターのコア技術の横展開である。

 プラズマクラスターは、自然界にあるプラスとマイナスのイオンをプラズマ放電により作り出して放出し、浮遊ウイルスや浮遊カビ菌の作用を抑えるシャープ独自の技術だ。自然界にあるイオンと同じであることから、安全確保と高濃度化が可能である。この技術は、発明協会による2008年の発明賞を受賞し、空気清浄器への搭載に始まり、エアコン、扇風機へと横展開。2016年10月には、頭皮環境改善による育毛効果を実証している。

 市場規模や話題性では、世界初の液晶テレビ「AQUOS 8K」に劣るが、プラズマクラスターは、参入障壁の構築や技術の横展開という優れたビジネスモデルに見える。「AQUOS 8K」は、本物と見紛う映像を再現する表示領域での設計から製造・サポートを訴求点とし、10月に中国での販売を開始する。一方、8Kのコンテンツや配信インフラ整備などの領域は協業していくという。鴻海傘下で苦境から脱したシャープは、液晶テレビのコモディティ化という経験がある。「8KとIoTで世界を変える」という方向性の肝である戦略は、いつベールを剥ぐのであろうか。

●頭皮エステのメカニズム

 プラズマ放電で作り出した水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンは不安定であり、周りに水分子が集まり安定したクラスターイオンになる。

 頭皮環境は、保湿、皮脂の油分量、ふけ・かゆみの原因菌で決まる。プラズマクラスターのイオンを取り囲む水分子が頭皮の角質層にも浸透し、うるおいを保つとともに余分な皮脂を抑制し、皮脂バランスを整える。また、頭皮の清浄を保つことで、ふけ・かゆみを抑制する。

●プラズマクラスタースカルプエステの特長

 「プラズマクラスタースカルプエステ」は、プラズマクラスターで頭皮のうるおいを保持し、かっさアタッチメントで頭皮をケアする。また、頭皮ケア時に低温風と冷風を自動で交互に切り換える「かっさビューティモード」機能を追加。また、同時に発売する「プラズマクラスタードライヤー」には、「かっさビューティモード」機能の代わりに、季節に応じて4種の送風温度の組み合わせで、ツヤのある髪に整える新「ビューティモード」を搭載している。

●ドライヤー(シャープ、プラズマクラスタースカルプエステ)のテクノロジー

 シャープは、2000年よりプラズマクラスター技術の効果を、世界の第3者試験機関と共同で実証するアカデミックマーケティングを展開しているという。ドライヤーもその一環である。

 頭皮効果は、被験者59名の女性を対象に12週間評価し、うるおい保持、皮脂バランスの整え、ふけ・かゆみを抑制、髪のボリュームアップを確認しているという。

 育毛効果は、薄毛治療の被験者115名の男女を対象に3カ月間評価し、自然放置の増毛本数8.2本に対し、イオン照射では20.9本と2.5倍の効果があったという。

 家電製品へプラズマクラスターを搭載し、ウイルス・細菌・アレルゲン除去や、育毛・美肌効果などの付加価値で、コモディティ化に対処する良い事例であろう。

 「プラズマクラスタースカルプエステ」と「プラズマクラスタードライヤー」の発売は9月14日。