中国で高まる「オンライン英会話」熱 米国人教師の奪い合いに

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中国で人気のオンライン英会話講座「VIPKid」と「51 Talk」に出資する北京のベンチャーキャピタルZhen Fond(真格基金)の投資家、ジャック・ジョンは「市場の成長は我々の予測をはるかに上回っている」と述べる。

「オンライン英会話授業を提供する企業の売上高は3年前にはせいぜい1億ドルだったが、今では上位20社の売上高は20億ドル(約2210億円)にも達している」と語った。

成長を牽引する要因の一つは、中国の教育環境が均一でないことだ。質の高い教育機関は大都市に集中しているため、他の地域ではオンライン教育へのニーズが高まっている。

スタンフォード大学のRural Education Action Program(REAP)によると、上海の高校卒業生の84%が大学に進学する一方、農村エリアでの高校生の進学率は5%に満たない。

一方、中国のオンライン教育業界はアメリカ人教師にとって、国内よりも高い報酬を得る機会を提供している。経済協力開発機構(OECD)の2016年の報告書によると、アメリカの高校教師の給料は13カ国中11番目で、フランス、ニュージーランド、エストニア、チリを下回った。

ユタ州在住のマイケル・ブラウンを例にとってみよう。彼女は友人を通じてVIPKidを知り、そこで7カ月間教えている。今は時給20ドルで、毎日2時間半英語を教える。仕事の唯一の欠点は、米国と中国の時差のため、朝5時に起きる必要があることだ。

ノースカロライナ州の銀行で働くキラ・ピプキンは、Facebookの広告を見てVIPKidを知った。英語教師として4カ月働いた彼女は「仕事を非常に気に入っている。借金を返すことができ、素晴らしい体験もできた」と語った。

しかし、VIP Kidのような企業にとって全てが順調なわけではない。多くの企業がこの市場に参入し、競争は激化している。

51 Talkの2016年の運営コストに占めるマーケティングコストは60%に上り、7000万ドル(約77億円)の赤字を計上した。

北京のビジネススクール長江商学院の副学部長、リウ・ジンは「マーケットはまだ初期段階にあり、企業による教師の奪い合いが起きる。それにともなって教師に支払う報酬も上がるだろう」と述べた。