卓球のワールドツアーで14歳61日の最年少優勝記録を打ち立てた張本智和の両親は中国出身。スポーツ界では「世界のホームラン王」王貞治やソフトボールの宇津木麗華、大相撲の蒼国来ら中国系が数多く活躍している。写真は卓球用品。

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2017年9月1日、卓球のワールドツアー、チェコ・オープンの男子シングルスで14歳61日の最年少優勝記録を打ち立てた張本智和。両親は中国・四川省出身の卓球選手だ。日本のスポーツ界で活躍する中国系は「世界のホームラン王」王貞治をはじめ、女子ソフトボールの宇津木麗華、大相撲の蒼国来ら数多くいる。

現在、プロ野球の常勝軍団・ソフトバンクホークスの会長を務める王も国籍の壁に直面した一人だった。父親は浙江省出身で母親は富山県出身の日本人。1957年春の甲子園大会で早稲田実業の2年生エースとして優勝に貢献し、早実は国体にも選出されたが、王は中華民国(台湾)籍で出場できなかった(その後、国籍条項は撤廃)。

巨人入団後の活躍は通算本塁打868本の世界記録、初の国民栄誉賞受賞など枚挙のいとまもないほど。そんな王もルーツは大事にしており、3人の娘には「理」を含む名前をつけた。日本人と結婚して姓が変わっても里は王家との意味が込められているという。

宇津木麗華は北京出身で中国名は任彦麗。中国の女子ソフトボールチームを経て1988年、25歳の時に日立高崎(当時)の総監督だった宇津木妙子に誘われて来日した。95年に日本国籍を取得。国籍を変える際は、元軍人の父親が猛反対したが、必死に説得した。日本名の姓は恩師と同じにし、名は中国名の「麗」と祖国の「華」を組み合わせた。

2000年のシドニー五輪では日本チームの主砲として銀メダルに導き、04年のアテネ五輪でも銅メダルを獲得。その後、指導者に転身し、日本チームの監督として世界選手権で12年、14年と連覇した。昨年11月には監督に再び就任、ソフトボールが正式競技に復活した3年後の東京五輪で金メダルを目指している。

内モンゴル自治区出身の蒼国来(本名・恩和図布新=エンクトフシン)は、03年に荒汐部屋に入門。10年の1月場所で十両に昇進し、中国で生まれ、育った初の関取になった。11年に明るみに出た大相撲の八百長疑惑に巻き込まれ、いったん解雇処分になったが、これを不服として裁判で争い、約2年後に現役復帰を勝ち取った。

復帰場所となった13年7月場所の番付は、解雇時と同じ西前頭15枚目。さすがにブランクの影響は隠しきれず、一時は幕下転落の瀬戸際に追い込まれたが、徐々に復活し、今年1月場所では12勝3敗の好成績で初の三賞となる技能賞に輝いた。

歴史的な快挙を達成した張本は14年に日本国籍に変更済み。小学校卒業後、仙台市の親元を離れ、日本オリンピック委員会が選手育成を目指して設立した東京のエリートアカデミーで卓球と勉学を両立させる生活を過ごしている。海外メディアが「奇跡の少年」「1世紀に1人」などと絶賛する逸材は、東京五輪で卓球界に君臨する中国勢の有力なライバルとなる可能性を秘めている。(編集/日向)