2日、米ボイス・オブ・アメリカは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)による首脳会議が中国福建省アモイ市で始まることについて伝えている。写真はアモイ。

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2017年9月2日、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)による首脳会議が3日、中国福建省アモイ市で始まることについて伝えている。

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この会議の目的について、あるオブザーバーは「世界経済の西洋支配に対抗するものとして、これらの国々の総合的な経済力を示すことだ」と指摘する。

中国はホスト国として、全世界の4割の人口を占めるこの会議を画期的なイベントにすることを望んでいる。だがいくつかの問題における加盟国間の意見の相違や、中国が政治的・商業的利益を上げるためのプラットフォームとしてこのグループを活用しているという疑惑を指摘する声も出ている。

米ハワイ州ホノルルにある米国防総省の研究・研修機関、アジア太平洋安全保障研究センターのモハン・マリク氏は、VOAの取材に対し「トランプ政権下で、米国が多国間主義から離れ、内向きとなっているように見える中、中国は、グローバリゼーションと多国間主義の『唯一のチャンピオン』としての立場を高める機会だと感じていることは間違いない」とし「友人や同盟国が不足している中国は、中小の発展途上国を軌道に乗せるために多国間フォーラムや金融機関を積極的に設立している」と指摘する。

中国には、BRICSプラットフォームがこうした機会を押し進め、習近平(シー・ジンピン)主席の世界のリーダーとしてのイメージを高めることにつながると信じている人もいる。だが問題なのは、北京と多くの意見の相違を抱えるロシアとインドがこのプラットフォームに興味を持つかどうかだ。

アナリストらは、ロシアが、中国主導の経済圏構想「一帯一路」に深刻な注意を払っていると指摘する。中央アジアでのインフラ整備事業について、ロシアもユーラシア経済連合と呼ばれる同様のプログラムを推進することを望んでいるためだ。これとは別に、中国とインドも意見の相違を抱えている。

アジアの2つの大国である中国とインドは先週ようやく、ヒマラヤ山脈の係争地を巡る対立を解消することに合意した。インドは、モディ首相がアモイでの首脳会談に出席することを、合意に至るまで認めなかった。

中国は最近、BRICS以外の国々をBRICSに導くことを目指す「BRICSプラス」の提案を進めている。中国はそうすることで組織がより強力なものになると主張している。

中国の王毅(ワン・イー)外相は最近の北京での記者会見で、「BRICSは独占的なクラブではない。BRICSの協力による影響は5カ国をはるかに超えている」とし「BRICSプラスのモデルが、BRICS協力の活力を完全に解放すると信じている」と述べている。

だが誰もがその提案を同じように見ているわけではなく、激しい反対と疑念もある。

中国・上海にある国際ビジネススクール、中欧国際工商学院のオリバー・ルイ教授は「中国はこの組織のリーダーになることを望んでいるが、他の4カ国は同意しないかもしれない。これが、中国がより多くのメンバーを募集しようとしている理由だ」と指摘する。

中国がその組織の拡大を望むのは、組織内における自らの立場を高めるためであり、組織自体を強化するためではないとの見方もある。

マリク氏は「BRICSプラスのコンセプトに基づいて他の途上国をパートナーシップに参加させることを望む王外相の考えは、BRICSを、ロシアと中国、中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)のような組織へと変え、『反西側』へと向かわせ、中国の指導力を強化し、中国の利益に役立つ可能性が高い」と指摘する。

中国は今のところ、日曜日に始まり火曜日に閉幕するアモイでの首脳会議でこのアイデアを正式化するための努力を断念することを余儀なくされている。

だが王外相は「中国はBRICSの慣例を守り、ホスト国は1回限りのチャンスとして他国を首脳会議に招待できる」と述べ、また「BRICSプラスとそのアイデアの背後にある理論的根拠を説明するためにもっと多くのことが行われる」とも語っている。

組織が果たそうとしている役割についての意見の相違と明確さの欠如により、BRICSはまだ5カ国の結合要素を見つけられていないとする見方もある。

ルイ氏は「BRICSはさまざまな理由により崩壊しているようだ」とし「まず第一に、これらの5カ国は、当然のことながら、1つの組織の一部であってはならない」と指摘する。

このグループは、世界貿易機関(WTO)の貿易の流れと意思決定に影響を及ぼすことができる貿易グループではない。そして、中国のビジネスは、これらの国から輸入するよりはるかに多くを輸出する傾向があるため、他の加盟国はしばしば、北京に有利な巨大な貿易収支に不満を抱いている。

王外相は記者会見で、「国際的な平和と発展を促進する上でますます重要な役割を果たしている」と述べ、BRICSを擁護している。(翻訳・編集/柳川)