昨年末にサウジ連盟の会長に就任したエザット氏にとって、3大会ぶりのW杯出場は至上命題。王族からのプレッシャーも!? (C)Getty Images

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 火曜日、西部の都市ジッダでハリルジャパンを迎え撃つサウジアラビア代表。ワールドカップ・アジア最終予選のグループBで2位に付けているが、3位のオーストラリアとは同勝点16で並び、得失点差でふたつ上を行っているに過ぎない。
 
 日本戦で引き分け以下の結果で終わるようだと、かなり厳しい。本拠地でタイと戦うオーストラリアが勝利する可能性が高いからで、プレーオフに回る3位に転落してしまうだろう。日本戦での3ポイントは必須で、かつ、ひとつでも多くのリードを奪って終えたいところだが……。
 
 土曜日、ジッダで調整を続ける「緑のハヤブサ(同代表の愛称)」の宿舎を訪れ、選手たちに発破をかけたのが、サッカー連盟のアデル・ビン・モハメド・エザット会長だ。同連盟の公式サイトがその模様を伝えている。
 
 エザット会長は穏やかな口調ながら、強いメッセージ性を込めてこう語りかけた。
 
「君たちの(日本戦での)勝利を信じている。多くのゴールを奪い、応援にやってくる大観衆を喜ばせてあげてくれ。ともにワールドカップ出場を掴もうじゃないか。ただ、忘れてはいけない。我々の到達点はここではない。あくまでワールドカップ本大会での躍進にあるのだということを」
 
 昨年末、激しい選挙戦の末に新会長に選ばれたのが、エザット氏だ。候補者はそれぞれが王族の後ろ盾を得ていたが、氏もアブドゥラ・ビン・ムサイド王子の後方支援を受ける。選挙公約に掲げていたのが、若手育成の改革と代表チームのアジアにおける復権。エゼット新会長は「ユース年代からの抜本的な改革を断行し、ふたたびサウジアラビア代表を強豪へと押し上げたい。黄金時代をこの手に取り戻す!」と所信表明した。
 
 緑のハヤブサたちは、1994年から4大会連続でワールドカップ出場を果たし、アジアカップでも常に覇権を争う盟主だった。しかしワールドカップはここ2大会で予選敗退を喫し、アジアカップでも2011、2015年大会とともにグループリーグで姿を消した。イランやイラク、カタールといったライバル国の後塵を拝しているのも面白くない。

 今夏のU-20ワールドカップではベスト16進出を果たし、エザット会長も「次に繋がる結果」と満足感を口にしたが、A代表のアジア最終予選はこの2試合で2連敗と元気がない。とくに8月29日の敵地UAE戦は先制しながらも逆転負けに終わり、ここにきて国内の風当たりが強まっている。
 
 一戦必勝を期し、総力戦を仕掛けてくるだろうサウジアラビア。スタジアムは、白装束の男性ファンで埋め尽くされるだろう。ワールドカップ本番に向けてリスタートとなる日本代表は、この鼻息の荒い軍団とどう戦うのか。価値ある90分間となりそうだ。

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