大坂なおみ【写真:Getty Images】

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3回戦で敗退、会見冒頭で「今日はなぜ勝てた?」の質問も…米紙「完璧な対応」

 テニスの全米オープンは2日(日本時間3日)、女子シングルス3回戦で世界ランク45位の大坂なおみ(日清食品)が元世界15位ベテラン、カイア・カネピ(エストニア)に3-6、6-2、5-7で敗れ、四大大会初の16強進出を逃した。しかし、失意のまま臨んだ会見で勝者と間違えて質問した記者に完璧な対応を披露し、米国で話題を呼んでいる。

「ナオミ・オオサカが全米オープン史上最も愚かな質問に完璧な対応」と見出しを打って特集したのは、米紙「USAトゥデー」だ。

 初の16強へ、壁を超えられなかった。大坂は1-1で迎えた第3セット、一時はリードしながら最後は競り負け、痛恨の逆転負けを喫した。

 失意のまま臨んだ会見。すると、冒頭でまさかのハプニングが起きた。

 記事によると、進行役が「質問、お願いします」と促すと、ある記者は「今日はなぜ勝てたと思いますか?」と質問。あろうことか、勝者と勘違いして大坂に質問してしまったという。

 敗戦直後、公の会見で非礼な質問。しかし、19歳はひと言、こう答えた。

「いえ、勝てませんでした」

 大坂は間違いを指摘するわけでもなく、大人の対応を披露。その後は失意の涙を流す場面もあったが、会見を全うしていた。

 今大会は1回戦で前回女王の世界6位・アンゲリク・ケルバー(ドイツ)という大金星でインパクトを与え、勝ち進んだ。「愚かすぎる質問」と指摘した記事では「この大会は彼女にとってキャリアのハイライトとなっており、その快進撃から記者も彼女が敗戦したことに気づかず、試合を見終えていたようだ」と記している。

 ある意味、大坂が鮮烈な印象を残していたことの裏返しでもあるが、決して許されていいことではない。しかし、まだ19歳が演じた振る舞いは立派なものだったと言っていいだろう。

 今大会は2回戦で集中力を欠いた理由について、練習からテレビCMが頭から離れなかったことを会見で告白し、米メディアから「抱腹絶倒」と天然なキャラクターが脚光を浴びていた。

 コート上で見せた溢れる才能ばかりでなく、会見で見せた個性も今大会、「ナオミ・オオサカ」を印象付けるひとコマになったようだ。