1日、金融界は、日本の政府開発援助戦略が中国の「一帯一路」構想と完全に重なっていることに、日本政府が頭を抱えているとする記事を掲載した。写真は海上シルクロードの地図。

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2017年9月1日、金融界は、日本の政府開発援助(ODA)戦略が中国の「一帯一路」構想と完全に重なっていることに、日本政府が頭を抱えているとする記事を掲載した。

記事は「日本の外務省は2018年度のODA関連予算申請額を、17年度当初の4343億円から10%以上上積みさせようとしている。その大半は安倍晋三首相の掲げる『自由で開かれたインド・太平洋戦略』『質の高いインフラパートナーシップ』関連の政策に用いられる見込みだ。これらの政策の重点地域は中国の『一帯一路』構想における『21世紀海上シルクロード』と完全に重なっているのだが、それが日本政府を苦悩させている」と論じた。

近年日本は東南アジアへの巡視艇の提供とアフリカ湾岸地域のインフラ整備にODAの重点を置き、中国をけん制する目的で東シナ海、南シナ海、インド洋一帯の連携強化を目指しているが、これが「海上シルクロード」のコースと丸かぶり、というのが記事の指摘だ。

記事はその上で「日本としては膨大な資金力と技術力を持つ中国との協力を考えざるを得ない。しかし、中国による開発援助の背景が気になる。中国は、数珠つなぎにインドを包囲して航路の開発を進めるとともに、海上基地の充実を図っているのだ。また、返済能力のない国に融資して、破たんした場合に現地インフラを軍用化する動きもある。安保上、日本は中国の行動を阻止したいのだが、インド政府関係者は日本の外務省幹部に『陸路は阻止できても、海上航路の阻止は難しい』とこぼしている」とした。

また、このほど就任した河野太郎外相が「ODAは半分に減らすべきだ」との持論を封印し、例年と同水準のODA予算申請に至ったことを「不確定要素」と指摘。「途上国が日本か中国かの二択状態にある中、日本ではODAを無駄遣いとする声があり、予算は横ばい状態だ。いかにして援助の効率と透明性を高めて中国に対抗するか。日本のODAはこれまで以上に戦略性が求められている」と論じた。(翻訳・編集/川尻)