パソコン関連専門の大手量販店。ここは海賊版を勧めてこない

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 最近は経済成長もめざましく、もはや先進国のような雰囲気を持つようになっているタイ。しかし、一度DVDやパソコンソフトに目を向けるてみると、海賊版、すなわちニセモノがいまだに数多く出回っている。

 商業施設内には海賊版映画DVD専門ショップがあり、大体一律50バーツ(約150円)で売られている。店によっては日本の連続テレビドラマを全話揃えてセットで売っていることもあり、1枚につき2〜3話を収録して4〜5枚セットになっている。ちゃんとタイ語字幕がついているなどかなり組織的な生産ルートがあるようで、一度店主に取材を申し込んだところ「殺されるからやめておけ」と言われた。

◆国際的分業が海賊版の背後に!?

 こういったDVDやパソコンのソフトは、おそらくタイのマフィアが絡んでいると思うが、察するにはタイだけでなく国際的な犯行グループになっていると見ている。というのも、稀に海賊版で出回る映画には、DVD化やタイ国内では上映されていないものが市場に出回ることがあり、映画館で盗撮しているものもあるからだ。

 観客の咳や話し声、ときには館内を歩く姿が映りこんでいるものがある。その写り込んでいる観客の話し声や様子を見るに、中国やほかの東南アジア諸国のものなのではないかと思われる。

 タイ人は罪を犯すにしても手の込んだことは国民性からか好まない傾向にあり、このケースではタイ人がわざわざそこまでして盗撮に行っているとは思えない。となると、海外の映画館などで「元ネタ」を撮影するグループが存在しているであろうことが推測できる。

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 もちろん、収録された「素材」に、タイ語字幕を付けるのはタイ国内での作業だと思われるケースも少なくない。なにせ、最近の映画の海賊版はタイ語字幕担当者なのか海賊版業者なのか、堂々と映画冒頭に名前をスタッフロールのように映し出すようにしているものも少なくないのだ。

 タイ警察も海賊版の流通を放っておいているわけではなく、定期的に摘発などはしている。ただ、こういった犯罪はイタチごっこであるし、全体的に海賊版のなにがいけないのかを認識していない感じなので本腰が入っているようには見えず、結局いまだに海賊版はなくなっていない。

◆変化しつつあるタイ人の意識

 ただ、最近はタイ人の中で海賊版がどうのというよりも、ニセモノを使って問題が起きたときに損をするのは自分だという考えが出てきている。

 例えば、海賊版とはちょっと違うが、正規輸入品と並行輸入品などでは、以前のタイ人なら安さを基準に選んでいたので並行輸入品でもいいという人が圧倒的多数だったが、近年は万が一の故障を考えて補償のある正規品を正規店で買おうとする人が多くなってきているのだ。

 また、特にパソコンソフトはディスクに焼かれたものをインストールすることはなく、ネットでダウンロードするのがタイでも普通になっている。海賊版の入る余地が減ってきているのもある。

 そんな事情もあって、海賊版を売るような店は徐々に淘汰されてきている。海賊版ソフトのメッカとされた、バンコクの秋葉原「パンティッププラザ」も歩けばぶつかってしまうほどにいた海賊版ショップの呼び込みがほとんどいなくなった。

 タイも海賊版は、少なくともIT関係においては消滅しつつあるのかと思っていたが、特にアングラな電脳街でもない、ごく普通の家電量販店で久々に出くわした。

◆店員が小遣い稼ぎで海賊版販売

 ある日、筆者のパソコンが完全に壊れてしまった。ノートパソコンでありながらも7年も使っていて寿命を迎えたのだと思う。そこでタイの家電量販店に行き、パソコンを物色した。