左:ボルボ「インテリセーフ」搭載のV90クロスカントリー 右:日産「プロパイロット」搭載の新型エクストレイル

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 最近は、ウィンカーを操作すると自動で車線変更してくれるクルマも出てますが、自分でやったほうがカンタンなので正直いらんです。一方、日産やボルボなどはACCをセットすると、速度を保ちつつ、車線を認識すればハンドルをそれなりに自動で切り、同一車線内で走り続けようと努めます。この半自動運転はそれなりに便利ですが、スイッチONまでがまだ面倒なんです。

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆信頼性も大事だけど使い勝手も考えて!

 日経新聞には連日「自動運転実現へ向けて云々」と言った記事が躍っておりますが、それ書いてる記者さんは、自分で自動運転のスイッチをONにしたことがあるのかな? 意外と難しいしコワイんですよ〜、という問題提起をしておる当欄であります。

 詳しい人が隣で手取り足取り指導してくれりゃ別だけど、老人や女性がいきなり自力で使いこなすのはまずムリ! つまり自動運転はまだ絵に描いたモチ! カーマニアにしか使えません!

 ただ、改善の兆候は表れている。「もっと使いやすくしなきゃ」と試みるメーカーが現れているのだ。国産車では日産が、輸入車ではボルボがその筆頭だ。

 そこで今回は、日産「プロパイロット」搭載の新型エクストレイルと、ボルボ「インテリセーフ」搭載のV90クロスカントリーで、自動運転の使い勝手を比べてみました。

 その前に、現状の自動運転の操作をおさらいするとですね、アダプティブ・クルーズ・コントロール(略してACC)という、前車追従機能付きクルーズコントロールの操作系の延長上にあります。

 一般的な手順は、

1 ACCをONにする
2 車速をセットする

 基本的にはこれだけ。でもこれが意外と難しい。慣れりゃカンタンだけど、スイッチがいっぱいあってわかりづらいから。例えばレバー式のアウディの場合、以下の通りです。

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1385737

 ON/OFF/SET/CAN/RES/SPEED+/SPEED-/DISTANCE+/DISTANCE-/LIM

 合計10個! 多すぎるので一つの操作で2個兼用してる部分もあるが、初めてだと意味もよくわかんないし、運転中スイッチをじーっと見つめて考えるわけにもいかず、指導員がいないと最初の一歩が踏み出せない、ということになりやすい。

 で、日産がやったのは、最初のONスイッチを、青く目立たせることだった。これだけでもかなりありがたい。ただその次は、相変わらず「SET」を押さねばならず、いったん解除後に復帰するときは「RES」を押さねばなりません。RESとはリジューム(復帰)のこと。このRES表示、国際的な合意があるのかないのか、ほとんどのメーカーが採用しているが、日本人には何のことやらサッパリです。

 それを打ち破ったのがボルボだ。別に日本人のためではないが、自動運転のスイッチからアルファベットを排除し、すべて絵文字にした! ON/OFFのスイッチも廃し、真ん中のメーターマークを押せばいきなりSET完了! 画期的じゃん!

 ただ、そこから車線維持のハンドルアシストをONにするには、矢印を押さないとダメ。矢印を押すとハンドルが(半)自動になるのって、イマジネーション湧かないな〜。ここも絵文字にしてくれりゃよかったのに。惜しい!

 自動運転の性能のほうはというと、値段が高いぶん、ボルボの圧勝でした。動きはとてもスムーズだし、車線(白線)の認識機能も高く、見失うことが少ない。車線をはみ出しそうになった時の自動ハンドル操作は、「はみ出すぞゴラァ!」くらいの勢いで世界一力強い。さすが安全がウリのボルボ。

 日産もがんばってはいるが、ハンドル操作は「はみ出しまちゅよ〜」程度で控え目だし、車線もちょくちょく見失う。

 まあ、現段階の自動ハンドル操作は、ボルボであってもアシスト程度なのでアテにしちゃいけない。だからONにするとかえってわずらわしい面もある。いずれにせよ事故ったら全部ドライバーの責任なので、「んなもん怖くて使えないヨ!」という人も多いとは思いますが。

 自動運転技術は発展途上で、まだまだ改良が必要だ。信頼性だけでなく使いやすさのほうも、より運転弱者に配慮したものに進化することを期待するであります!

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1385748

【結論】
先日若い女性にACCをONにさせたところ、最初の5分は真剣に怖がってたが、30分後にはすっかり慣れて「すごお〜い!」を連発していた。第一歩をどう踏み出させるか、メーカー様はもうちょい考えてね!