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 本日3日、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまのご婚約内定が宮内庁より正式に発表され、眞子さまはお相手の小室圭さんと会見に臨まれる。

 宮内記者会は質問を事前に提出する段取りになっている。回答内容は眞子さまと小室さんが考えて、宮内庁が数字などの事実関係を確認するぐらいで、国会答弁のように担当官が回答を作成することはしないという。また、このような記者会見では関連質問は認められないのが通例である。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司氏はこう説明する。

「マスコミは各社とも、『このぐらいは国民に伝える必要がある』という判断で質問を提出します。芸能人の婚約会見とは違いますから、各社とも質問内容はわきまえていて、自社だけ独自の切り口で斬り込もうというアプローチはありません。関連質問に対する瞬時の反応に人間性が現われておもしろいという面もあるでしょうが、皇族も宮内庁も『きちんと回答しますから、知りたいことがあったらすべて事前に伝えてください』という考え方です」
 
 眞子さまご成婚を祝福する一方で、皇族の減少に伴う女性宮家【編注:女性皇族が独立して営む宮家。結婚した女性皇族が皇室にとどまり、皇室活動を続けることができるとされる】創設論の適否はどう考えたらよいのだろうか。この議論には、公務の負担軽減という大義が据えられているが、皇族減少と公務負担の問題は、必ずしも連動するとは限らない。公務の担い手を皇族に限定するかどうかで、負担量は大きく左右されてくる。

「かりに女性宮家が創設されても、女性皇族のご主人と子供が皇族でなければ次の世代につながりません。また、女性皇族が民間に嫁いで一般国民の立場から皇室のご公務にかかわっても、女性宮家の場合と実態はさほど変わりません。国家にとっては、皇籍を持ってご公務を行なうのと、民間人としてご公務を行なうのとでは大きな違いがあるでしょうが、国民の感覚としては、ほとんど違いがないのではないでしょうか。眞子内親王殿下が小室眞子さんとして公務を担われても、国民は違和感を持たないと思います」(山下氏)

●重大な問題

 公務の担い手という問題のほかに、皇族の存続問題には「皇位の継承という問題がある。振り返りたいのは江戸時代の四親王家制度だ。江戸時代には、皇位継承のリスクヘッジ機能があった。天皇家本家のほかに「四親王家(伏見宮、桂宮、有栖川宮、閑院宮)」と呼ばれた4つの宮家に皇位継承権が付与され、常に本家と合わせて5人の皇位継承候補者が揃っていた。本家に継承者が不在の場合、四親王家から天皇が選定されていたのだ。

「やはり江戸時代のように皇位継承者は各世代で4〜5人必要でしょう」(同)

 そして山下氏は、現下の女性宮家創設論に、皇室の存続とは別の重大な問題、皇族に対する人権問題が潜んでいると指摘する。

「内親王や女王に対して、女性宮家が創設されれば将来は天皇になるかもしれないし、創設されなければ結婚して皇籍を離脱して民間人になるかもしれない、という不安定な状態に置き続けています。これでは将来の夢を抱くこともできなくなります。今上陛下と皇太子殿下はお生まれになった時から将来は天皇の地位に就くことを前提に教育を受けておられますが、皇太子同妃両殿下の長女、愛子内親王殿下はそうではありません。

 この議論を行なうのは政府、国会であり、皇族は政治的な発言ができないので、意見を述べられません。しかし、この仕組みのなかで、親は子供をどうやって育てればよいのでしょうか。この問題は、国家による皇族に対する人権侵害といっても過言ではありません」

 政府や有識者会議には、こうした問題も議論の俎上にのせてほしい。
(文=編集部)