ホフディランと吉村社長

 ロックバンドのホフディランが2日、渋谷CLUB QUATTROでライブ『「多摩川レコード」LIVE』をおこなった。これに先立った囲み取材では、デビュー当時の彼らのアーティスト担当であった吉村隆氏も交え、ライブや新作について語った。このなかで、メンバーの小宮山は、吉村氏がセットリストを選曲した事を「単に代表曲を選ぶのではなく、真剣に考えてくれたので、愛されてて嬉しい」としみじみ語った。

 このライブは、1996年に発売されたホフディランのファーストアルバム『多摩川レコード』の楽曲を再現するというコンセプト。またホフディランは、10月に古巣であるポニーキャニオンより19年ぶり9枚目となる新作『帰って来たホフディラン』のリリースも発表した。この立役者のひとりである、ポニーキャニオン代表取締役の吉村隆氏は、当時のホフディランのアーティスト担当を務めていた。この経緯から、囲み取材はホフディランの小宮山雄飛、ワタナベイビー、吉村氏の3氏でおこなわれた。

 質問はまず今回の古巣復帰に関してから。吉村氏は「4月に新曲を出すところが決まっていないということで、訴えかけてるオーラがあったので(笑)。『やってみる?』というところから始まりました。そうしたら(小宮山が)信用してくれなくて録音しようとした」とジョーク混じりに明かした。

 ワタナベイビーは「信じたのは1カ月後くらい。(小宮山の)希望的観測だろうと思っていた」、小宮山は「僕は吉村さんが社長になったという情報を掴んでいたので、いつか頼もうかなと思っていた」とメンバーもそれぞれコメントした。

 今回のライブのセットリストを3曲(「キミノカオ」、「欲望」、「遠距離恋愛は続く」)選曲した事について、吉村氏は「軽く受けたは良いけど、曲を聴き込んで2日考えました。でも11曲のうち3曲しか採用してくれなかった(笑)」と時間の制約を悔やみながら話した。これを受け、小宮山は「単に代表曲を選ぶのではなく、真剣に考えてくれたので。愛されてて嬉しいなと思いました」、ワタナベイビーは「ツアーライブを観てくれていた人の選曲という感じですね」としみじみ。

 初作品の再現について、小宮山は「今思えば、ポニーキャニオンが好きにやらせてくれていました。変なアレンジばかりなので、楽しくやっていなと思います」、「20年間で学習した事を崩して原曲に忠実にやったので面白かったです。懐古趣味じゃないですけど、当時のファンも喜んでくれると思います」とした。ワタナベイビーは「サポートキーボードもいれて再現しているんですけど。21年前のスタジオを思い出しました」、「当時の服装を用意したんですけど、中々なくて…」と明かした。

 10月に発売される新作『帰ってきたホフディラン』の印象を問われた吉村氏は「彼らと一緒にやろうと思っていた当時、テープで聴いた曲が入っていたんです。なので僕にとっては懐かしいというか、また一緒にやれるのが嬉しかったです」とした。さらに「95年に会ってから、こうしてまたやれるのは奇跡ですよ。変わったといえば変わったかもしれないけど、気持ちは全然変わっていない」と重ね、感慨深い様子を見せた。【取材・撮影=小池直也】