「会いに行くアイドル」をコンセプトに掲げ、その勢いを伸ばし続けるAKB48チーム8による新公演「君も8で泣こうじゃないか」が、9月2日に秋葉原のAKB48劇場にて初日を迎えた。

今公演は、48グループファンにはお馴染、和賀勇介と新妻悠太によるお笑いコンビ、トップリードがプロデュースする公演だ。トップリードとチーム8の蜜月は2015年よりスタートしたバラエティ「あん誰Presents AKB48 チーム8のあんた、ロケ!」(現「AKB48チーム8のあんた、ロケロケ!」)に始まり、今や全国ツアーのメインMCも担当。48、49人目のメンバーと言ってもいいほどチーム8と共に笑い涙してきた、頼もしい兄貴たちである。

そんなトップリードがこの公演に込めたテーマは、この上なくストレートな公演名から察せられるように「涙」。「チーム8を観ているだけで泣けてくる」というほどに熱いチーム8を語る二人は、今公演を演出する際に、「47人全員でのステージを!そうじゃなければ止めます!」と語るほど熱を込めていた。しかし、物理的な観点からいって到底無理!となり、涙を飲んで16人に絞った、といういきさつもあったそうだ。

新妻は自身のブログにて「エイトで泣きたいんだ。もっとエイトで感動したいんだ!!笑いたいんだ、驚きたいんだ!!言いたいことがあるんだ!!きっとエイトの頑張りを見て、一筋の涙が流れるような温かい公演に、皆さんと一緒に作ってゆきたいと思ってます!!」という熱い想いをしたためている。プロデューサーのこの熱意を背負い、果たしてチーム8はどんな感動を生み出してくれるのだろうか?今稿では、初日直前に行われた公開ゲネプロのレポートをお送りしたい。

まず本編開始前、前座ステージとして、先日加入したばかりの新広島代表・奥本陽菜(おくもと・ひなの)が初のステージを踏むことに。披露するは『星空を君に』。初々しすぎる立ち振る舞い、初ステージとは思えないタイトなパフォーマンスで、王道アイドル楽曲を愛らしく仕上げた。終始にこやかな姿を届けた。直後暗転し『Overture』が鳴り響く。後ろのモニターにはチーム8が結成した2014年の映像からトップリードとの出会いとなった2015年…と、彼女たちの軌跡が映し出される。音が止み、壇上に登場する16人。チーム8の最年長メンバーにして、この日のセンターをつとめる京都府代表の太田奈緒を軸に円陣を組むと「公演初日。緊張するかもしれませんけど、力をあわせて楽しんでいきましょう!」という太田の掛け声と共に、「エンジンかけましょう、ブンブンブン!」と気合を入れる。

スタートナンバーはアンセム『47の素敵な街へ』。最高の楽曲を早くも投下し、場内の空気を一気に変えていく。続くナンバーも『Reborn』『抱きしめちゃいけない』『鈴懸の木の道で〜』と、明るく賑やか、目に耳に楽しい楽曲を連発。そして5曲目にはライブでおなじみの必殺キラーチューン『思春期のアドレナリン』を披露。盛り上がり必至の楽曲惜しみなく投下。全力でぶつかる16人は早々に汗だらけ。前半パートはチーム8の「勢い」「熱」をこれでもか!と、堪能できる楽曲を凝縮した展開に。

楽曲が終わり自己紹介が始まると、トップリードから「ゲネプロなんだからこそ全力で関係者に自己アピール」とのお題が課されることに。まず、口火を切ったのが、埼玉県代表・郄橋彩音。「動物が好きで、蛇やトカゲが好きなので、アイドルと蛇を戯れさせたかったら、ぜひ呼んでください!」と、猛烈に主張。その後もマイクが回ってくるたびに、「AKB48カフェ&ショップのイベントが過去最高の倍率でした。今一番集客力がある女かも(笑)」(茨城県代表・岡部麟)、「Ms.語彙力と言われていますので、何かお喋りの場があれば(笑)」(新潟県代表・佐藤栞)と、それぞれが少し照れながらも自らの武器はこの仕事で活かせます!と訴えかけていく。各々の見て、見て!の応酬に、関係者一同苦笑い。

賑やかな自己紹介後、暗転すると場内。するとスポットライトの下で山形県代表・早坂つむぎが「僕には居場所がない…」という切ない心を訥々と語り始めた。ここから“涙”をテーマにした、今公演の軸となるユニットパートが始まる。早坂の独白後『涙に沈む太陽』が始まる。太田を軸に、奈良県代表・大西桃香と郄橋がチーム8らしからぬ色気を振りまいていく。さすが最年長の太田はいつもの笑顔のイメージを覆す妖艶さを漂わせた。そして曲終わりに再び暗転すると、今度は太田が独白を始める。この独白は楽曲のユニット楽曲の歌詞を取り入れた一連の物語となっており、楽曲毎に一人ずつ語っていく。続くは佐藤、茨城県代表・岡部麟、千葉県代表・吉川七瀬による『誰が私を泣かせた』。こちらは終始シリアスさを漂わせ、楽曲の持つ“孤独”のイメージを見事伝えきった。

3曲目『私は私』では熊本県代表・倉野尾成美によるソロ歌唱。自分らしく前を向こうという気持ちを切なく歌うこの曲を、力強い声でエモーショナルに歌い上げる。感情をこめるあまりに、倉野尾の目にはジンワリと涙が滲んでいた。

デュオ曲の定番『てもでもの涙』は東京都代表・小栗有以と北海道代表・坂口渚沙によるシンメトリーから始まると、なんと二手に分かれ、小栗は大西、坂口は早坂とコンビに。珍しい4人編成での『てもでもの涙』に。実験的な方法も見事マッチするのがチーム8の力量だ。鳥取県代表・中野郁海、岡山県代表・人見古都音、鹿児島県代表・下青木香鈴、兵庫県代表・山田菜々美によるハードなダンスナンバー『Cry』は、パワフルさと繊細さの両極を見事演出。中でも中野の美しい体捌き、下青木のその小さな体のどこに秘められているのか?というほどの力強さは格別。

ユニットパートラストを飾るのは『この涙を君に捧ぐ』。福井県代表・長久玲奈、早坂、郄橋、清水、佐藤栞、太田の6人はイノセントな空気を生み出した。合間に挟まれるメンバーの独白による物語も、最初は孤独と寂しさによる哀しみの涙を語っていたが、楽曲が進むと同時に仲間との出会いを経て喜びの涙へと変わっていくというストーリーに。“涙”を題材にしながらも、やがて仲間とのふれあいで成長する展開は、さながらチーム8の歴史を凝縮しているようで胸に迫る。

続くMCではユニットについて語ることに。『涙に〜』について大西はセクシーさを出すために、大好きな人を思い浮かべて歌ったという。おぉ!とざわつくメンバー。その思い浮かべた人とは…AKB48/STU48の岡田奈々!ニヤニヤとする大西に「想いが届いているよ!」と取り繕うメンバーたち。『私は私』を歌った倉野尾は、曲を聴いただけで泣き、リハで歌い号泣と、今公演に相応しい“涙”エピソードを投下。ホンワカとした空気を送りいよいよ後半戦。『恋愛総選挙』『新・チーム8推し』ではメンバー一人ひとりの魅力を、楽曲を通して掘り下げる、まさに“見つけて”のパートだ。

本編の最後を飾るは『一生の間に何人と出逢えるのだろう』。長のギターの優しい旋律と、16人のナチュラルな声が優しい気持ちを運んだ。合間には今公演プロデューサーのトップリードが登壇。自らアンコールを呼びかける一幕も。アンコールはシリアスな『僕たちは戦わない』(青森県代表・横山結衣による振付!!)でスタート。続くは新曲『生きることに熱狂を!』、ミッドテンポのサウンドにチーム8の熱さをこれでもかと詰め込んだ楽曲で再びステージに火を灯す。ラストに行く前、太田による「夢へのルート」と題した作文を読み上げる。これまでを振り返り、楽しかったこと、様々な別れの経験した寂しさ…と様々な感情をストレートに綴った太田。思わず涙が込み上げてくるもグッとこらえ「このトップリードさん公演がみんなにとって大切な公演になればいいな」と締め、ラストナンバー『夢へのルート』が始まる。愛らしくも感動的な人生讃歌を、満面の笑みで届ける16人。胸にグッとこみあげるものを感じさせ、この素晴らしい時間に幕を閉じた

終演後の囲み取材で山田は「練習を観ていて泣いてしまった」と語った。早くもチーム8全員にとってもかけがえのない公演となったようだ。新妻も「ゲネで大成功なんだから、本番はもっとスゴイことになる」と豪語。「楽しさ」「熱さ」「切なさ」の感情がギュッと詰め込まれた「君も8で泣こうじゃないか」。まだ登壇していないメンバーもこれから続々と出演していくと語られており、これからの変化が楽しみだ。心の汗をかきっぱなし必至のこの公演、ぜひファンもファンでない方もチーム8で涙してほしい。