私の中国人夫は私の「中華料理」のイメージを良い意味で裏切ってくれる。写真は中国のレストランのメニュー表。

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中国人夫は私の「中華料理」のイメージを良い意味で裏切ってくれる。蟹玉、麻婆豆腐、海老チリなどの中華料理を福建省出身の夫は一度も食べたことがなく、日本に来て初めて食べたという。そんな夫が先日、中国福建省の家庭料理を作ってくれたので今回はその時のことを書きたいと思う。

1つ目の料理は「麺線糊」(日本語・めんせんこ、中国語・ミエンシエンフー)。煮込みそうめんと言ったところか。

これは台湾料理としても知られているので、知っている人も多いかも知れない。夫いわく、残り物の野菜や肉など基本的に何を入れても良いそうだが、夫は圧力鍋で煮込んだスペアリブと大きめに切った大根、それに煮卵を入れていた。私が見て面白かったのはスープの出汁をスルメイカで取っていた所だ。お酒のおつまみコーナーなどに売っているスルメイカを細かくカットして具と一緒に煮込む。柔らかくて磯の香りがして美味しかったが、スルメイカを日本の昆布のような使い方で使っていたので意外だった。

具を煮込んだらそうめんを投入。味付けは塩を少々のみである。この料理に限ったことではないが夫の作る料理は味が薄い。よく中国南方の料理はアッサリしていると言われるが、日本人の私からすると味があまりないと感じることが多い。

夫は薄味に慣れているのでそのまま食べたり、豆板醤を少し入れて食べたりしている。私はよそってから醤油を少々。各々の美味しい食べ方を見つけて味わった。

夫いわく、そうめんを入れなければスペアリブのスープとして食べられるらしい。この料理は主に朝ごはんに食べる料理で「油条(ヨウティアオ・中国の揚げパン)」を浸して食べると美味しいんだとか。今度夫が油条を買って来てくれるそうなので楽しみにしている。

2つ目の料理はカラトウキを使ったスープ。中国語では当帰(ダングイ)という中医薬の原料として使われる多年草。これを豚ヒレ肉のスープに入れて煮込んだスープだった。

中医薬スープと聞くと何だか苦くて不味そうなイメージがあるかもしれないが、カラトウキはセリ科の植物の根で作られているので、セロリ風味の肉スープという感じだった。カラトウキは血の流れを良くし鎮痛作用がある。思ったよりも美味しくて身体にも良さそうであった。

中華料理と聞くと夫と出会うまでは辛いというイメージがあったのだが、夫の教えてくれる「中華料理」は私のイメージとは全く違う料理なのだ。「中国人」でも日本人の想像する「中華料理」を食べたことのない中国人は夫を含めたくさんいる。その事実もまた私にとっては興味深く面白いのである。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。