エイベックスでは、7月に東京で開催された「lol -エルオーエル-」のライヴ
ツアー『”live tour 2017 [ lolz ]”ファイナル』で、実証実験の第一弾を実施した。(写真: エイベックス・グループ・ホールディングスの発表資料より )

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 エイベックスと日本マイクロソフトは1日、AIを活用した来場者分析システムの実証実験を開始したことを発表した。AIにより会場内に設置されたカメラが来場者の感情を分析、演奏されている楽曲と「喜び」や「悲しみ」、「驚き」といった反応との関連性を数値化することで、より満足度の高いライブの実現を目指していくという。

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 これまでライブ・イベントの評価は定性評価により、具体的な基準が定まっていなかった。今回は「嫌悪感」や「中立」といった感情まで多面的に数値化することで、エンタテイメントの客観的な評価が可能となり、ライブの具体的な改善や満足度の向上などへの取り組みが容易になるという。

 AIサービスはマイクロソフトの「Microsoft Cognitive Services」を活用。同サービスは感情検知や画像認識、音声認識などのAI機能により形成されている。例えば、視覚認識では「Face」により顔検出を行い、音声認識では「Bing Speech」により、音声をテキスト化して利用するなど、多様な機能が提供できるという。今回は会場に設置されたカメラと結びつき、視覚的な感情検知を中心に来場者の反応を数値化していく。

 画期的なのはライブ中に来場者のネガティブな感情を察知することが可能なため、演出や曲順を変更することでリアルタイムに来場者の満足度向上が図れることである。ライブ中のみならず会場物販での購入者の性別や年齢まで検知できることから、ECサイトとの連動や販売予測など新たなマーケティングにつなげることも可能としている。

 音楽業界はCD販売の減少や若者の音楽離れが問題視されるなかで、ライブやコンサートの市場が急成長を遂げている。それに伴いエイベックスやアミューズといった大手もライブやコンサートへ注力し、来場者の満足度向上を図るべく試行錯誤していた。

 楽曲を買う時代から体験する時代にシフトしているなか、AIやVRを活用とした新しい波も到来。1日にはLINEが電子チケットの新会社設立を発表するなど、旧来のライブの在り方から大きく変化を遂げようとしている。

 そのような動きのなか来場者のリアクションを検知・分析するシステムは画期的であり、エイベックスとしても実用化後には効果測定ソリューションとして外販も検討しているという。エンタテインメントの領域まで活用されるAIの進化には今後も注目をしていきたい。