ピルを飲んではいけない女性はどのような人なのか? 女性の健康に詳しい医師が解説します

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「ピル」は、最も確実な避妊法である「経口避妊薬」として、海外では良く知られています。しかし、中にはピルを飲んではいけない人もいます。ピルを服薬してはいけない病気、また注意すべき条件について解説します。服薬する前に、自分に当てはまるものがないかチェックしましょう。

ピルを服薬できない病気……乳がんや子宮がん、血栓症など


■エストロゲンが関わっている癌の疑いのある人
乳がん、子宮がん、特に子宮頸がんがこれにあたります。また癌でありませんが、子宮筋腫もエストロゲンが関わっているためピルの服薬はできません。また、もしピルを服用する場合は、定期的に子宮癌の検診(細胞診)を受けることがよいでしょう。

■血栓性の病気
ピルの成分の一つのエストロゲンは血液を固まりやすくする作用(血栓を作る作用)があります。そのため、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患などの病気にかかったことがある場合、服薬はできません。また、手術後の人、出産後の人、長期安静の人も血が固まりやすくなりますので服薬できません。

■ピル過敏症、原因不明の性器出血
当然のことですが、実際にピルを飲んで過敏症を起こしたことがある人も、ピルは服薬できません。また、原因不明の不正性器出血のある場合も薦められません。

喫煙や妊娠もピル服薬の危険因子


■喫煙とピル
意外と知られていませんが、タバコは血栓症のリスクを上げるため、35歳以上で1日15本以上の喫煙者の方にはピルは処方できません。禁煙すれば服薬可能です。

■妊娠とピル
妊娠中にピルを飲まれる方はそういないと思いますが、妊娠中はもちろん、妊娠している可能性がある場合も飲めません。授乳中も同じです。また、これは妊娠時の病気の話になりますが、妊娠中に黄疸、持続性掻痒症が現れたことのある人、妊娠ヘルペスの既往のある人もダメです。

■その他
思春期前の方、重症の肝障害、肝腫瘍のある方、脂質代謝異常、重度の高血圧、難しい病名になりますが、抗リン脂質抗体症候群の人や耳硬化症の方もピル服薬はできません。

ピル服薬時は年齢や家族歴、既往歴も確認を


また、ピルを処方できないほどひどくはなくても、血栓ができやすく、癌になるリスクが平均より高そうな人も注意が必要です。

具体的には40歳以上の人、乳がんの家族歴のある人、乳房にしこりのある人、喫煙者、肥満、家族に血栓症にかかったことがある人がいる人、軽い高血圧(妊娠中高血圧も含む)、糖尿病またはその疑い、軽い肝障害のある人、心臓、腎臓の病気がある人、また、過去にこれらの病気にかかったことがある人です。参考までにですが、ポルフィリン症、てんかんのある人、テタニーのある人も注意が必要です。(文:山田 恵子)