アニメ制作230社の収入は過去10年で最高 しかし1社平均では4割減

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 コンテンツビジネスは好調で、アニメ制作会社全体の収入は拡大している。映像ソフト事業もヒット作の登場で、市場は拡大傾向にあるようだ。

 帝国データサービスは8月22日、「アニメ制作企業の経営実態調査」の結果を発表した。調査は同社の企業データベースからアニメ制作を主業とする企業230社を抽出して分析したもの。

 2016年のアニメ制作企業230社の収入高は1,813億4,700万円で、2007年の1,161億3,900万円から大きく増加し、過去10年間で最高となった。放映本数の増加が続いていることで、アニメ制作企業の収入高総合計は増加基調が続いているようだ。

 2016年の1社当たりの平均収入高は7億9,900万円で、2007年の12億3,600万円から約4割の減収となった。また、収入動向をみると「増収」が35.5%(前年比7.6ポイント減)、「減収」が30.4%(同2.7ポイント増)、「横ばい」が34.1%(同4.9ポイント増)だった。過去5年間の推移をみると、「増収」の割合は2014年が54.9%で最も高く、2016年は最も低くなった。これについて同社は、制作費が安価な中国や韓国企業の台頭や、国内で新興企業が相次いで設立されたことで競争が激しくなっていると指摘している。

 一方、一般社団法人 日本映像ソフト協会は、16歳から69歳のインターネット利用者を対象に「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査」を実施し、その結果を4月に発表した。調査時期は1月で、サンプル数は一般調査が1,500名、有料動画配信調査が300名。

 2016年(1月〜12月)の映像ソフト市場規模は前年比2.4%増の5,258億円で、2年連続で増加した。内訳をみると、DVD とブルーレイのレンタル市場が同5.7%減の1,831億円(2007年は3,604億円)、DVD とブルーレイのセル市場が同2.8%減の2,171億円(2007年は3,038億円)に縮小した。一方で、ユーザーがコンテンツに対価を払う有料動画配信市場は、は2013年から調査を始めており、2013年が597億円、2014年が614億円、2015年が961億円と拡大を続け、2016年には前年比30.7%増の1,256億円に拡大している。

 2016年1年間に、購⼊、レンタル利⽤および有料動画配信サービスのいずれかを利⽤した「有料コンテンツ利⽤者」は44.0%となっており、2015年の43.7%から微増となった(2014年の数値が⾼いのは、ビッグタイトルとなった『アナと雪の⼥王』により市場が⼀時的に拡⼤したためと推察される)。

 各サービスの利用状況を見ると、2016年のレンタル利用率が30.1%(前年比1.8ポイント減)、セル購入率が18.2%(同1.5ポイント増)、有料動画配信利用率が12.7%(同2.1ポイント増)だった。

 有料動画配信の利用率は低いものの利用者を着実に伸ばしており、今後の映像ソフト市場をけん引していく存在になりそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]