8月雇用統計はネガティブサプライズも110円台キープ 9月1週目のドル円為替

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 9月2日(すべて日本時間)は、前日の7月個人消費支出(PCE)、PCEコアデフレーターの結果から米国経済のインフレ低迷が示され、1ドル110円台を割り込むシーンも見られたが、軒並み110円を挟んだわずかな上下で安定していた。しかし雇用統計の経済指標が発表されて為替相場は大きく変動した。

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 2日は、最も注目される雇用統計の発表日である。直前は1ドル110円15銭ほどであったが、21:30に8月雇用統計が発表されると1ドル109円56銭までドルは売られることになった。事前予想の非農業部門雇用統計が+18万人だったのに対して、結果は+15.6万人と大きく下回ったためだ。平均時給の前年比は+2.5%と前月と変わらず、しかし事前予想の+2.6%は下回った。雇用統計のネガティブサプライズによって、10年債権利回りは2.13%から2.1%まで下がり、ドルは急落したのだ。先日発表された8月のADP雇用統計が好調だっただけに期待も大きく、市場は失望感に包まれた。

 しかし、1ドル109円56銭の下値をつけた後は売りが一巡、反発してドルを買う動きが強くなった。そして23:00に8月ISM製造業景気指数が発表されると、ドルは1ドル110円48銭まで上がっている。事前予想の56.5を大きく上回る58.8だったためだ。ちなみに同時刻に発表された8月ミシガン大学消費者信頼感指数は速報値の97.6、事前予想の97.4を下回る96.8が確定値となっている。

 ドルの下値を支えているのは来週に本格始動する税制改革案の成立に向けた動きがあげられるだろう。コーンNEC委員長もムニューシン財務長官も年内の税制改革案成立は100%だと自信気だ。はたして宣言のように順調に前進できるのか、来週からの動きに注目が集まる。FRBが公表するベージュブックも年内の追加利上げを考慮するための材料となり、重要になるだろう。さらに来週の週末、9月9日が北朝鮮の建国記念日だ。朝鮮半島の地政学的リスクへの警戒も必要になってくる。これらが今後のドルの上振れの条件になるだろう。