特定の個に頼らず、GKの川島永嗣も含むピッチ上の11人で助け合いながらオーストラリアの攻撃を無力化した戦いぶりは、まさに「チームこそスター」を具現化したものだった。
 大胆な采配が裏目に出て批判されたこと(例えば16年9月1日のUAE戦で大島僚太をフル代表デビューさせながら1-2で敗れた時)もあったが、それでも「チームこそスター」という信念は如何なる時も揺るがなかった。
 
 いくらJリーグで特別な活躍をしても、いくら代表での実績があっても、その相手と戦ううえで必要なファクターを有していなければ招集しない。

 コンディションが悪ければ森重真人や清武弘嗣ら主力級も躊躇なく招集外にするやり方に賛否両論あるとはいえ、2次予選は8戦無敗(7勝1分け)、最終予選は1試合を残して本大会出場決定と結果を残したのだから、そのマネジメント能力は高く評価されて然るべきだ。
 
  アジア予選でハリルホジッチ監督が繰り返してきたトライ&エラーも、本大会への布石と捉えればポジティブに映る。今は、素直にハリルホジッチ監督に拍手を送りたい。

文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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