中国では死亡率30%「恐怖のマダニ」 かまれても対処法ナシ!?

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強烈な毒を持つヒアリが国内で相次いで目撃され、日本中がパニックに陥った。攻撃性が強く、海外では刺されたことによる死者まで報告されている。そんな、場合によっては死に至る危険な「殺人虫」の数々の生態と、いざというときの症状や対策法をリポートする

◆対処法なし!? 感染症を運ぶ恐怖のダニ

●マダニ
死因 ウイルス感染による出血や昏睡など
出没スポット 山やあぜ道、藪などの屋外
危険度★★☆

 マダニは家の布団や畳に発生するダニとは違い、森林や藪、山道などに発生するダニで体長は約3mm。なぜダニが危険なのかとつい思ってしまうが、「マダニの感染症には注意が必要です」と警鐘を鳴らすのは、ハチやヘビなど野外で出合う危険生物に関する著書を持つ西海太介氏だ。

「マダニ自体に毒はありませんが、マダニが血を吸う際に、マダニの唾液腺で増殖したSFTS(重症熱性血小板減少症候群)や、ダニ媒介脳炎などを引き起こすウイルスが人体に入り、感染する可能性があります。

 これらの感染症は、初期症状として、発熱、めまい、息苦しさなどといったインフルエンザに近い症状が出るため、マダニに咬まれてしまった後は経過観察が大切です。キャンプや登山といったアウトドアのシーンで遭遇することが多いうえに、防衛のために攻撃してくる虫と違い、血を吸うために人間に近づいてくるので、咬まれる可能性があります。それに咬まれても咬まれたことに気づかないことも多い。山や森などに行く際は、事前に万全な対策をしておくことです」

 マダニから感染したSFTSウイルスが発症した場合、現行では対症療法で自然治癒を待つしか有効な治療法がなく、中国では感染者の30%が死亡しているというデータもある。では、その対策にはどのようなものがあるのか。アース製薬の貞森邦生氏はこう語る。

「マダニは肌に吸着し、吸血するので、長袖やスニーカーなどを着用し、肌の露出を減らすことが第一です。また、マダニを寄せつけないためにも、外出時は虫よけの忌避剤を使い、万が一、咬まれてしまったときも、絶対に自分で除去しようとせず、病院へ行ってください。無理に引き剥がすとマダニの胴体だけがちぎれて口部分だけが残るため、皮膚がえぐれたりすることもあります」

 目に見えないほどの小虫とはいえ、くれぐれも“無視”してしまうのは禁物だ。

【貞森邦生氏】
アース製薬トレードマーケティング部課長兼管理薬剤師。蚊、ゴキブリ、ダニ、ハエなど家庭の害虫駆除などに精通した虫のプロ

【西海太介氏】
セルズ環境教育デザイン研究所代表。著書に『子どもにも教えたいハチ・ヘビ危険回避マニュアル』(ごきげんビジネス出版)

― [最凶殺人虫]図鑑 ―