ラオニッチ戦後の錦織圭【写真:Getty Images】

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14年9月1日、全米OP4回戦ラオニッチ戦を大会公式が特集「この大会のベストマッチ」

 男子テニスの世界ランキング10位・錦織圭(日清食品)は右手首の故障により、開催中の全米オープンを欠場した。しかし、3年前の9月1日(日本時間2日)は大会史上に残る“伝説の激闘”を演じた日。大会公式サイトでは、日本のエースの功績を称えるように、グランドスラム初の決勝進出となった14年大会に脚光を当て、「ニシコリはこの大会における中心人物だった」と特集している。

 あの感動と興奮から、もう3年が経った。

「2014年9月1日、この日の全米オープンの歴史」と紹介した記事では、当時、準決勝でロジャー・フェデラー(スイス)を破るなど快進撃を演じ、優勝を果たしたマリン・チリッチ(クロアチア)に触れた上で「しかし、それ以上に2週間のトーナメントで興奮を生んだ存在がいたことを覚えている。それが、ニシコリだ」と報じ、こう振り返っている。

「彼はこの大会における中心人物だった。その並外れた攻撃的ショットは試合を追うごとに観客の心を鷲掴みにしていた」

 そして、2014年9月1日、最もインパクトを残したのが、4回戦のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)だ。4時間19分の及ぶ死闘。フルセットの末に難敵を撃破した。試合終了時刻は大会史上最も遅い午前2時26分という歴史的な激闘だった。

 さらに、スタン・ワウリンカ(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)ら、世界の強敵を次々となぎ倒し、日本人では男女通じて初のグランドスラム決勝進出。日本でもスポーツの枠を超えて大々的に取り上げられた。

「武士のように戦った」…圧巻の快進撃を称賛「輝かしい2週間には賛辞」

 しかし、ラオニッチ、ワウリンカ戦ともに4時間超のフルセットマッチという消耗戦の末にたどり着いた決勝ではチリッチにストレートで敗れてしまった。

「圧巻なまでに突き進み、武士のように戦った。しかし、決勝でチリッチを目の前にした時には、この日本人の象徴は閃めきもエネルギーも使い果たしてしまっていた」

 ただ、記事ではラオニッチ戦について振り返りながら、死力を尽くした24歳をこう称賛している。

「それでも、4時間19分の長時間に及ぶ激戦となり、終わる頃には日付は9月2日を迎えていた。ラオニッチがとどめを刺そうとしても、ニシコリがブレイクする粘り強さを示し続けた。最終的に優勝こそ逃したものの、ニシコリの過ごした輝かしい2週間には賛辞を送らざるを得なかった」

 当時のラオニッチとの試合後、激闘を振り返り、こんなコメントを残したことが紹介されている。

日本人が果たした歴史的快挙「体の大きさ劣る。しかし、彼は自分のスタイル示した」

「私は今までこのような経験をしたことがなかった。夜中の2時だというのに、これだけ多くの人々が見守ってくれていたことは幸せなこと。ただ、こんな時間にみんなどうやって帰宅すればいいのかは僕にもわからないけれど」

 記事では「これは大会のベストゲームといって良かった」と述べた上で、世界のファンを驚かせた錦織について、こう称賛している。

「彼はビッグヒッターでもなければ、強烈なサーバーでもない。体の大きさでも劣る部類だ。しかし、この大会で彼は自分のスタイルを示した。その信念で最後の戦いまでたどり着いたのだ」

 今大会は雄姿をコート上で見せることはできなかった。しかし、復帰を目指して奮闘している錦織は、大会の歴史上、欠かせない人物であることは間違いない。