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トイレに行き過ぎたことは、解雇理由になるのかーー。こんな質問が、インターネットのQ&Aサイトに投稿されていた。投稿者は、トイレに行き過ぎた結果、会社から解雇を宣言されてしまったそうだ。

トイレに行く回数は人それぞれだろう。1時間に1回行く人もいれば、8時間の勤務中に1回しか行かない人もいるだろう。生理的なものだけに、回数は人それぞれだ。ただ、気分転換のために、トイレに頻繁に行く人や、トイレで携帯電話をいじって、時間潰しをしている人もいる。

トイレに行き過ぎだという理由で解雇などの処分をすることは、法的に問題はないのだろうか。もし、生理的な理由ではなく、気分転換のためなどで頻繁にトイレに行っていることがバレた場合、何かペナルティを受ける可能性はあるのか。島田度弁護士に聞いた。

●「業務を怠けている」と推測されるかどうか

「人間である以上、一日に一定回数トイレに行くのは生理的にやむを得ないことですから、トイレに立つことだけを理由に懲戒処分を下すということは、およそ考えにくいといわざるを得ません」

では、問題ないということか。

「ただ、トイレに立つ頻度が一般常識から考えてあり得ないような程度であったり、あるいは1回ごとのトイレの時間が一般常識から考えてあり得ないほど長かったりする場合には、『トイレに行くということを口実に業務を怠けている』と推測されることもあるでしょう。

こういった場合、『トイレに立ったから』という理由ではなく、『業務を怠けている』という理由で、懲戒処分される可能性はありえます。ただ、その場合であっても、いきなり解雇ということは考えられず、訓告や戒告等のより軽い処分を行い、それでも一向に業務怠慢が改まらない場合に、初めて解雇できるということになります。

なお、従業員の立場からすると、お腹を下しているなど、トイレの頻度が多くなったり一度のトイレの時間が長くなったりしてもやむを得ない場合もあるかとは思いますが、そのような場合は、まずは上司にその旨をちゃんと説明すべきですし、その程度によっては、有給休暇を取得するなどして、体調の回復に努めるべきでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
島田 度(しまだ・わたる)弁護士
東京大学法学部卒業
札幌弁護士会所属
札幌市民オンブズマン 代表
いのちと健康をまもる北海道センター 理事
ブラック企業被害対策弁護団 北海道ブロック 事務局長
事務所名:きたあかり法律事務所
事務所URL:http://kitaakari-law.com/