陸上自衛隊HPより

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◆「自衛隊ができない20のこと 11」

 米軍基地では、基地内の警護にシェパードなどの大型犬が活躍しています。サンディエゴやパールハーバーなどの米国内の基地では、実弾入りの拳銃・自動小銃等で武装した海兵隊員が巡回しています。米軍基地は主要幹線沿いにもありますが、車でもMP(Military Police、海軍の憲兵みたいなもの)が常にフル武装で巡回しています。武装の内容はその時の危険度や基地の重要度などの状況で変わってきますが、米軍基地の警護は万全です。基地内に入ると道路などにバリケードが設置できるようになっていたり、バンプが置かれていたりします。もちろん、監視カメラやセンサーなども随所に設置されており、外部からの敵の侵入の可能性について米軍は十分な予算と人員を確保しているわけです。

 では、自衛隊の基地はどうでしょうか。市ヶ谷の防衛省など主要な拠点については高い塀の上にも柵がありますし、立地自体も高台から見下ろす位置にあります。しかし、これが田舎の広大な基地や駐屯地となると様子が変わってくるのです。

 特に航空基地の場合は、飛行機の滑走路などがあり、広い区画を必要とします。外周を覆うフェンスには「草野球場の柵に、申し訳程度の有刺鉄線を巻いたようなレベル」のものが多くみられます。中にはテロリストが車を停めて脚立を使えば乗り越えられるくらいの高さのものもあります。重機を使えば簡単に車両で基地・駐屯地内に突破できそうな場所も多々あります。

 平和な国・日本の基地警備はかなり簡素なものでした。9.11米国同時多発テロが発生した時の自衛隊の基地では木銃と警棒で警備していたと聞いています。周辺諸国の脅威が拡大する中、さすがに現在は小銃などの武器を携行した警備を行うことになっているようです。基地や駐屯地毎の状況判断により武装内容は異なりますが、大型犬を配備するところも増えてきました。しかし、数年前に比べれば格段に前進したとはいえ、まだまだ警備に充てる予算や人員数が絶対的に足りません。

 昨今、国家安全保障上重要な「土地等に係る取引等の規制等に関する法律案」が第193回国会に提出されました。これは、自衛隊の基地周辺の土地を外国人が取得するなどの問題が起きた場合に調査できるようにする法律案でした。驚くべきことですが、現在、基地周辺の土地を外国人が買うことへの規制がないのです。しかし、森友・加計の問題などで国会が法案審議する時間がなかったのでしょうか、この法案は審議未了で成立せずに終わってしまいました。軍の秘密保持や基地警備の重要性を考えると、これまで自衛隊の基地周辺の土地取得に規制をかけてなかったことがどれほどの失策だったか、容易に想像できるかと思います。

 現在、最も危険な航空基地といわれる米軍の普天間基地なども、住居が密集する市街地に基地を作ったわけではありません。何もない場所に基地ができたのです。そこに民間住宅や商店が次々と作られ、現在のような「住宅密集地内に航空基地がある」状況になりました。我が国では軍事基地周辺の土地も一般の土地と同じように簡単に取得できてしまうために、普天間基地問題は起きてしまったのです。国境の島「対馬」では、自衛隊の駐屯地付近の土地を韓国資本が取得していることが問題となっています。自衛隊の基地や駐屯地近くの土地取得についても、まだまだ考えなければならない問題が山積しています。

 ここで、1つの例として、「核武装」について考えてみましょう。核攻撃に最も有効な抑止力は「核による報復能力を持つこと」ですが、自衛隊は専守防衛が原則ですし、北朝鮮などから核攻撃を受けた時の「抑止力としての報復核攻撃」については検討することすら(事実上)できません。佐藤栄作の非核三原則「核をもたず、つくらず、もちこませず」もあります。自衛隊が核兵器保持するハードルはかなり高いのですが、仮に技術的問題、内政上の問題、外交上の問題などをクリアして自衛隊が核兵器を「持てた」とします。しかし、そこで我々は大きな問題にぶち当たります。