一人っ子政策の弊害が新兵にも…(写真:Avalon/時事通信フォト)

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 約300万人という世界最大の兵力を誇る中国人民解放軍の新兵募集が締め切られ、武装警察部隊を含め合計5万2000人が筆記や実技、面接などの専門的な試験を受け、約2万9900人が一次合格した。だが、健康診断で太り過ぎや弱視、高脂血症などさまざまな疾患症状が見つかり、米軍の新兵検査よりも検査結果がはるかに劣っていることが明らかになった。

 中国人民解放軍機関紙「解放軍報」によると、合格した新兵候補生は今後、所属軍区傘下の軍の学校で教育を受け、最終試験を受けて、正式に兵士や将校候補生となる。

 だが、それ以前の問題として、一時合格者の健康診断でその17%に高脂血症や痛風などの原因となる尿酸値の異常がみられたほか、腎臓や肝臓の機能低下が顕著だった者が28%にも達したという。

 さらに、視力の低下や太り過ぎも多くみられたという。中国軍では身長が177センチならば、体重は87キロまで許容されるが、この基準は米軍よりも甘い数値だという。

 このほかにも、スマホやパソコンが手放せないというネット中毒やテレビゲーム中毒が疑われる者も多いという。

 これらの健康診断結果やネット中毒などについて、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は専門家の話として、次のように解説している。

「かつての軍隊に入る人々は農村部の貧しい家庭の子どもや、他の就職試験に落ちて、行くところがない人が多かった。『良い鉄は兵隊にはならない』と言われたものだが、いまや新兵の70%は一人っ子政策で、ちやほやと甘やかされて育てられた世代だ。あと10年もすれば、その数値は80%になることが予想される。

 昨年一人っ子政策は改定されたが、その効果が表れるのは20年後だけに、中国人民解放軍にとって、兵隊の質の低下は深刻な問題だ」

 これを受けて、同紙の電子版の書き込み欄には「軍の最高指導者でもある習近平国家主席(中央軍事委員会主席)は世界最高の『強軍』を目指しているが、戦争になれば、世界最強といわれる米軍はおろか、日本の自衛隊にも敵わないのではないか」との意見が書き込まれている。