スカイスキャナーなどの航空券価格サイトで日々安い航空券を探し求めていると自分の中で相場ができあがり、ふつうの人なら「安い」と思えるものが「ふつう」としか感じられなくなる。筆者にとって東京から欧州往復5万円台の航空券は高くはないが、ずばぬけて安いとも思えない。欧州往復の底値は4万円台だという感覚があるからだ。

羽田・香港間を7,886円で往復! 最安航空券はこのサイトで探す
crea.bunshun.jp/articles/-/8926

 世界中のさまざまな都市からさまざまな都市まで文字通り星の数ほど航空券が存在するが、そのなかで「安い」と思えるものは一握りにすぎない。しかし、これは久々に安いと感じた。いや感じるだけでなく興奮した。なにしろ世界一周航空券が空港使用料なども込みで8万円台である。これまで航空券ウォッチングを続けて四半世紀を超えるが、これだけ安いものに出会ったことはない。さっそくこの航空券の概要について説明したい。

(1)出発地はソウル

 まず断っておきたいのはこの航空券がソウル発であるということ。もちろんソウル発といっても航空券そのものはスマホやパソコンで簡単に予約発券できるから、いちいちソウルの旅行会社などに問い合わせる必要はない。ただし、出発地がソウルである以上、ソウルまでの片道航空券は別途用意する必要がある。しかしLCCのセール運賃を使えば、日本からソウルまでは片道総額5000円程度で飛べることも少なくない。ちなみに釜山発の設定もあるが、ソウル発よりも割高になるのであまりメリットはない。

(2)航空券のルール上は南米行きの往復航空券

 世の中で広く普及しているのはスターアライアンスやワンワールドなどのアライアンスの航空会社を組み合わせた世界一周航空券。こちらはエコノミークラスの一番安いものでも約30万円ほどかかる(日本発の場合)。それに対して今回とりあげるのは南米のチリやペルーなどへの往復航空券という形式をとっている。ご存知のとおり、韓国や日本から南米は地球のほぼ真裏にあたる。そのため、経由地はアメリカ経由・オセアニア経由・欧州経由の3つの選択肢がある。たとえば行きは欧州経由・帰りはアメリカ経由になれば世界一周航空券ができあがるわけだ。

(3)目的地と価格は? イースター島へも13万円台

 往復航空券なので目的地を設定する必要がある。筆者が調べたかぎり、チリの首都サンチアゴ、ペルーの首都リマをはじめとしたチリやペルーの各都市にくわえて、ブラジルのサンパウロ、アルゼンチンのブエノスアイレス、パラグアイのアスンシオンなどを目的地として設定することもできた。

 面白いのはマチュピチュの最寄りの空港となるペルーのクスコなどへもほぼ同額でカバーできること。いずれも10万円前後でいける。ちなみにモアイで有名なイースター島往復も13万円台だ。イースター島への日本発のフリーツアーだと約30万円もするのでこれは超お買い得といえるだろう。

 ちなみにこの航空券ピーク時でも価格はそれほど変わらない。2018年のゴールデンウィークでも4月28日(土)ソウル発サンチアゴ経由5月6日(日)東京着で9万1000円だ。ゴールデンウィークのピークに南米行ってこの金額と考えると世界一周以前に驚異的に安い航空券といえる。


GWでも世界一周が91000円

日本到着にもできる

(4) 最終到着地は日本にできる

 通常の往復航空券は出発地に戻ってくることになる。筆者も最初はソウル発南米行きソウル着を検索していた。しかし、到着地を東京などにすると単純なソウル発着よりも安いことに気がついた。日本在住者なら旅行の最後を日本で終えられれば時間の節約にもなるし、そもそもソウルから日本に帰る航空券代も必要ないので非常にありがたい。ちなみに最終目的地は東京以外にも関西・千歳・那覇などを設定することができる。しかしその場合は往復とも米国経由を拾うことが多いようだ(その場合単純往復となり、世界一周とはならない)。

 ちなみにソウル→欧州→南米→米国→日本というルートでは純粋な意味での世界一周にはならないが、その定義にこだわりさえしなければ問題ないだろう。ちなみに世界一周のマイル数に占めるソウル-東京間のマイルはほぼ3%。つまり97%世界一周といえる。逆にソウル→米国→南米→欧州→ソウルというルーティグではいったん日本を飛び越えるので103%世界一周ということになる。

(5)航空会社はワンワールド。日米間はJALも使える

 さて、気になるのは航空会社だろう。この航空券を扱っているのは南米のLATAM(ラタム)航空。聞き慣れない名前かもしれないが、もともとチリをベースにしたLAN航空とブラジルのTAM航空が合併して2012年に設立した航空会社。アライアンスはワンワールドに加盟している。


南米に広大なネットワークを持つLATAM航空

 ペルーをはじめとした南米各都市に子会社のネットワークを築いている。しかしLATAMは南米からアメリカや欧州へのネットワークをもっているもののアジアには就航していない。そのため、これらの区間ではワンワールド各社を中心とした提携航空会社を利用することになる。東京〜ニューヨークなどでは日本航空を利用することもできる。

(6)航空券のルール

 出発15日前までの予約が必要
 有効期間 3日〜1年
 出発日 2017年8月7日〜12月9日、2018年1月1日〜7月27日
 ストップオーバー 100ドルで可能。最大3か所まで
 払い戻し不可

(7)ルーティングの例

 実際にどのようなルートが考えられるのだろうか。ルートの一例は以下のとおりである。

 ソウル発→コリアンエアー(Qクラス 50%)→マドリード(1泊)→LATAM(Sクラス 100%)→サンチアゴ(1泊)→LATAM(Sクラス 100%)→ニューヨーク(約5時間滞在)→JAL(Sクラス 加算率50%)→羽田着


旅行会社サプライスで検索した結果。サイトによって料金はもちろんルートや航空会社も異なるので丹念に検索を続けたい

 空港使用料などをすべて含んだ総額は84600円。日本のオンライン旅行会社サプライスでの金額である。()内のクラスは予約クラスと筆者が加算しているアラスカ航空での加算率。上級会員のボーナスをのぞいて21649マイルがこの旅行で加算される予定だ。これはJALやANAなどの比較的安いペックス運賃(50%加算)で日本とアメリカ西海岸を2往復して、JALマイレージバンクやANAマイレージクラブに加算したのと同じくらいのマイル数である。

サプライス
www.surpricenow.com/flights/search/search.aspx

どこで予約発券するのか?

(8)この航空券はどこで予約発券する?

 この航空券はLATAM航空の特別運賃だが、日本にあるLATAM航空の代理店では発券業務を行っていない。一番簡単なのはスカイスキャナーやトラベルコなどの航空券価格検索サイトで探すこと。

スカイスキャナー
www.skyscanner.jp/
 複数都市を選び、目的地をサンチアゴにする場合は、
 ソウル サンチアゴ 往路の日付
 サンチアゴ 東京 復路の日付と入れる。さらに訪問都市を指定したい場合は「+もう一つの航空券を追加」をクリックする。

トラベルコ(海外格安航空券)
www.tour.ne.jp/w_air/
 航空券タイプで「海外発」を選ぶ。あとはスカイスキャナーと同じように都市名を入れていく。

 これらのサイトや旅行会社によって表示される都市や便がことごとく食いちがった。筆者が調べたかぎり、上述したサプライスが比較的希望にそっていたうえ安いと判断して購入した。

(9)マイレージの加算はどうなる?

 LATAM航空はワンワールド加盟航空会社なので、JALマイレージバンクやアメリカン航空のアドバンテージに加算することも可能だ。それぞれの区間の予約クラスについてはエクスペディアなど一部のサイトで確認することができる。予約クラスがわかれば次のサイトなどでプログラムごとの加算率をチェックすることができる。複数のプログラムでマイレージを貯めている場合は、加算率がよいプログラムを選ぶのも賢い選択だ。

Where to credit
http://www.wheretocredit.com/

 また、この航空券は一部区間でワンワールド加盟航空会社以外を利用することもできる。たとえばソウル→欧州ではスターアライアンス加盟航空会社のルフトハンザ・ドイツ航空やアシアナ航空を選ぶこともできる。ただし、航空会社を自由に選ぶわけにはいかず、あくまで検索して出てくる結果しだいということになる。

(10)ルーティングのコツ

 色々検索した結果、最も安かったのは往復ともに欧州経由のもので約81000円だった。なお、世界一周航空券であるにもかかわらず、欧州に宿泊できるルーティングが少ない。筆者が上で示したものはマドリードで1泊するもの。ブリティッシュエアウェイズ利用でロンドンに宿泊するものもあった。

 このほか、キャセイパシフィック航空・カンタスオーストラリア航空を利用して、香港・シドニー経由でサンチアゴに向かうルーティングもある。ただし、香港、シドニーでそれぞれ数時間しか滞在できないので、今回は見合わせた。


今回探したなかで最も安かったのが往復とも欧州経由のルートで80940円

 この航空券にかぎらず、ソウル発の南米行きがこのところ安い。筆者は7月に購入したソウル発リマ(ペルー)往復のアエロメヒコは約56000円だった。かつてソウル発券は一世を風靡したが、その後ウォン高や航空券の条件の改悪もあり、すっかり下火になってしまった。しかし探せば掘り出しものはまだ見つかる。ちなみにこの「ほぼ」世界一周航空券。いつまで販売を続けるかは未知数である。とりあえずこの金額で購入できるいまのうちに予約発見してしまうことをおすすめしたい。

 世界一周といえば高くて時間がかかり自分には縁遠いと思う人もいるかもしれない。しかし、8万円台・最短なら3泊4日で実現可能だ。次の旅行はぜひ世界一周を検討してみてはいかがだろうか。

(橋賀 秀紀)