北京市と湖北省武漢市の距離は約1152キロ。現在運行している北京発、武漢行の高速列車を利用した場合、5時間以上かけて到着することになる。しかし近い将来、この所要時間がわずか30分にまで短縮できることなど想像できるだろうか。

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北京市と湖北省武漢市の距離は約1152キロ。現在運行している北京発、武漢行の高速列車を利用した場合、5時間以上かけて到着することになる。しかし近い将来、この所要時間がわずか30分にまで短縮できることなど想像できるだろうか。30日に開かれた第3回中国(国際)商業宇宙ハイエンドフォーラムにおいて、中国航天科工集団公司は「高速飛行列車」の研究開発に取り組むと発表した。科技日報が伝えた。

この列車の最大運行速度は時速4000キロに達し、一般的な高速列車の10倍以上で、民間旅客機の5倍に相当する。これさえあれば北京に住む人は7時過ぎに出発し、武漢で10時に開かれる会議に余裕をもって出席できる。次世代交通システムである同プロジェクトは、私たちの暮らしを変える技術の変革を生み出すことになる。

◆国内大都市群の1時間経済圏を形成へ

高速飛行列車は低真空環境・超音速デザインにより空気抵抗を下げ、磁気浮上の軌道により摩擦を弱め、超音速「低空飛行」を実現する交通システムだ。都市間の時空距離を縮めるほか、気象条件の影響を受けず、化石燃料を使用せず、都市部地下鉄と切れ目なく連結できるといったメリットがある。未来の交通分野の発展の流れ、技術の要衝と言えるだろう。

しかしこのようなハイスピードが、乗客に不快感をもたらすことはないだろうか。中国航天科工集団公司第三研究院第三部主任補佐、高速飛行列車プロジェクト技術責任者の毛凱氏は取材に対し、「同プロジェクトは乗客の乗り心地に基づき最も適した加速度を設計し、スムーズな加速・減速を実現する。航空機の離陸時よりも快適なはずだ」と述べた。

同プロジェクト竣工後、人々の外出方式を変えるほか、中国さらには世界経済の版図を書き換えることが予測される。国内資源配置を加速させ、大都市群の1時間経済圏を形成する。

◆真空チューブ内を運行

リニア列車はもはや新鮮なことではなく、国内外で早くから研究されている。しかし高速飛行列車は、速度を数百キロから1000キロ以上、さらには数千キロへと飛躍させるというものだが、それをいかに実現するのだろうか。

毛氏は、「現在のリニア列車の多くが戸外にむき出しの環境で運行されており、摩擦のほか、空気抵抗を受ける。同プロジェクトは真空チューブ内を運行するため、環境が異なる。また磁気浮上技術にも数種類ある。先ごろ上海で開発されたリニア列車は、ドイツから導入した磁気浮上技術だ。一方、同プロジェクトは高温超伝導磁気浮上技術を採用するが、この技術は中国ですでに一定以上の基礎を固めている」と説明した。

また毛氏によると、多くの技術がすでに実験室内で実現されているが、実用化という難題に直面しているという。記者の調べによると、同プロジェクトは各方面の優位性の発揮を重視する。すでに国内外の20以上の研究機関と協力し、中国初の国際的な高速飛行列車産業連盟を発足させており、チームは関連分野の200件以上の特許を取得している。

◆4000キロの目標を3ステップで実現

毛氏によると、4000キロという指標は技術の面に基づき予測したものであり、未来の使用の需要をできるだけ満たすために定めたものだ。しかしこの速度は一日で実現できるわけではない。記者の調べによると、同プロジェクトは3ステップ戦略で徐々に実現に向かう。まずは時速1000キロの輸送能力により、地域内の都市間交通網を構築する。

毛氏は、「例えば北京から武漢や上海へ、もしくは武漢から西は成都、南は広州へ向かう場合、距離は1000−1500キロ内だ。第2ステップでは時速2000キロの輸送能力により、国家大都市群の1時間交通網を構築する」と語った。

最後に同プロジェクトは時速4000キロの輸送能力により、「一帯一路」(the Belt and Road)交通網を建設する。そして宇宙事業、高速鉄道、原発に続く、中国の新しい代名詞になると見られている。(提供/人民網日本語版・編集YF)