ユニクロの看板(「Wikipedia」より)

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 日本最大級のファッションブランド「ユニクロ」。「低価格・高品質」を武器に成長を続けきたユニクロだが、ここ数年は消費増税や原材料費の高騰、円安の進行などによる値上げを受け、客離れが叫ばれている。では、実際のところ消費者の「ユニクロ離れ」は起きているのだろうか。

 ユニクロを運営するファーストリテイリングが今年7月に発表した「国内ユニクロ事業 売上推移速報2017年8月期」によると、16年9月〜17年2月までの売上高は、既存店(前期期首から期末まで通年で稼動した店舗+ダイレクト販売)で前年度比100.1%、直営店(直営店+ダイレクト販売)で100.4%となっている。月によって若干の増減はあるものの、昨年と比べてほぼ横ばいといった状況だ。

●店舗には依然多くの客が訪れる

 次に、実店舗の様子を調査するため、東京・新宿区にある「ビックロ 新宿東口店」を訪れた。「ビックロ」は大手家電量販店の「ビックカメラ」と「ユニクロ」によるコラボ店舗で、12年9月にオープン。開店日には4000人が列をつくるほど、大きな話題となった。

 同店舗は1階から3階がユニクロのフロア(1階はビックカメラと共用)。筆者はメンズ用品が売られている3階に足を運んだ。

 店内には新作のシーズンアイテムやTシャツ、インナーなどの定番商品がきれいに陳列されており、観光客から一般客まで、多くの人々がカゴいっぱいに商品を積んでいた。

 スタッフもテキパキと働き、客からの質問に丁寧に答えていたり、客が手に取って乱れた商品をすぐさま整えるなど、「世界のユニクロ」という評価にふさわしい仕事ぶり。筆者はTシャツ数点を購入したが、入店から退店まで気持ちよく買い物ができた。

 視察の結果、店舗には依然非常に多くの人々が訪れており、危惧されている客離れは感じられないというのが筆者の印象だった。

●喫煙所で制服のまま愚痴をこぼす店員

 しかしそんななか、当編集部に今後「ユニクロ離れ」の原因になりかねない、「スタッフの質低下」を懸念する声が寄せられた。

「東京都内のあるビル前に設置された喫煙所では、4月頃、ユニクロの制服を着た若い店員さん数名がたむろして、タバコを吸いながら仕事の愚痴などを話す場面がしばしば見かけられました。喫煙所のすぐ近くに店舗があるので、おそらくそこの店員さんかと思いますが、平日昼間のその喫煙所には、いつも5〜10名前後は人がいる状態。そのなかでユニクロの制服を着た店員さんが、集まってタバコを吸いながら愚痴を言っている様子はかなり目立ち、ほかの人々の注目を集めていました」(30代女性・会社員)

 休憩時間とはいえ、ほかの大勢がいるなか、店のユニフォームを着て悪態をつくのは、ユニクロの看板を背負う店員としての自覚が足りないといわざるを得ない。

 そこで、上記内容について、ファーストリテイリングのコーポレート広報に問い合わせたところ、次のような回答が得られた。

「弊社では、かねてより社員教育には力を入れており、接客マナーや言葉遣いには十分注意するよう日々指導しております。しかし万が一、従業員の言動に対して、お客様がご不快に思われたのであれば、深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございません。また、お客様からのご意見は、日々店頭およびカスタマーサービスセンターにて承っており、いただきましたご意見につきましては、一つ一つ対応策を立てて、全社に共有させていただいております。今後も引き続き、店舗社員の教育および指導にはいっそうの力を入れ、改めて社員教育の充実をはかってまいります」

 近年、日本では消費支出に占めるファッションへの支出額は縮小傾向にあり、多くの消費者が低価格志向へとシフトした。そんな社会のニーズを見極め、成長してきたのがユニクロだ。今後ユニクロがGAPやZARAと並ぶような世界的ブランドへ成長していくためには、価格とクオリティのバランスはもちろんのこと、ブランドイメージを担うスタッフの意識向上も欠かせないのではないだろうか。ユニクロのさらなる成長に期待したい。
(文=編集部)