岐阜県関市の新名物「日本刀アイス」について、同事務局に取材した。

刀匠が監修した「日本刀アイス」

刃物の町と言われている岐阜県・関市。鎌倉時代頃から刀鍛冶にとって理想的な風土条件を備えた土地に刀匠が集まるようになり、今や世界有数の刃物の産地として知られている。

そんな関市で見た目も味も本格的な「日本刀アイス」が開発された。

提供:日本刀アイス事務局

味は地元名産のゆずを原料にした「上之保ゆず味」と北海道産あずきを使った「こしあん味」の2種類。

長さ26センチメートル、重量90グラムで、チョコレートでコーティングされたクッキーでできた鍔(つば)も食べられる。価格は一振り1000円(税込)だ。

提供:日本刀アイス事務局

同商品はネット上で「アイデアが素晴らしい」「クオリティ高い」「刀剣女子に歴女の心を鷲掴み」「インスタ映えする」「食べるのがもったいない」「一振り欲しい」など話題沸騰。

地元の眼鏡屋のスタッフが同商品について何気なく投稿したツイートは、わずか2日で340万view、3万リツイートされたという。

高校生が地域を想って発案

日本刀アイスは、地域の将来を想う高校生の気持ちから生まれた。

関商工会議所青年部のジュニアビジネスプランコンテストに地元の観光資源を作るためのビジネスプランとして、高校生が発案。

提供:日本刀アイス事務局

その自由なアイデアと思いを知った地元の企業が商品化に向けて名乗りを上げ、その輪がどんどん広がり商品開発が進み、ついに「日本刀アイス」が誕生した。

刀匠・第26代藤原兼房さん監修

商品化にあたり、食べて「美味しい」はもちろんのこと、日本刀を表現して「見た目も楽しい」「遊び心のある」アイス作りにこだわったという。

手に持ってポーズを決めたり、写真を撮ったりして楽しんでいただけます。

そして、何より表現したかったのは、関市が誇る刃物クオリティです。そこで、刀匠(第26代藤原兼房さん)にも監修していただき、特に刀身の表現にこだわりました。

提供:日本刀アイス事務局

葛を使い「艶やかで溶けにくいアイス」に

最も苦労したのも、やはり「刀身」だという。

日本刀の刀身は、長く、細く、薄く、反りがあり、そして艶やかです。

その形状を再現しようとするなかで、細く、あるいは薄くしすぎると脆くなるため、どこまで細くできるか、薄くできるかといった最適な形状について、試行錯誤を重ねました。

提供:日本刀アイス事務局

また、一般的なアイスクリームの材料では艶やかさを再現するのは不可能。形を長く楽しんでもらうためにもと、老舗和菓子屋の職人が「葛」を使うことを発案。

硬すぎると食感が良くない、でも柔らかすぎると形状が維持できないため、最適な硬さについても試行錯誤しました。

これらについては、金型、型、治具、仕込み方法をバランスよく開発する必要があり、非常に苦労しました。

「葛」は寒天に似た食感だそう。もちろん冷たくなると柔らかくなるが、アイスのように溶けてなくなってしまうことはない、溶けにくいアイスが実現した。

次の発売は9月9日「Gifu-フェス」

同商品をイベントや高速道路のサービスエリアで限定販売したところ、売切れ続出。

先週日曜(27日)に販売した際にも、夕方には完売。子どものために買い求める人や「うわさには聞いていたけど、見るのは初めて」という地元の人などが購入していたという。

刀の鍛錬には時間がかかるように、和菓子職人が手作りする日本刀アイスは、出来上がるまでに時間がかかります。

そのため、一度の販売数には限界があります。ご購入いただけなかったお客様には大変申し訳ないのですが、現在は品切れの状態です。

今後の販売予定は、9月9日に、コスモパーク羽島(岐阜県羽島市)で行われる「Gifuーフェス〜岐阜の魅力まん祭(まんさい)〜」で限定50振り。10月7、8日に関市で行われる「刃物祭り」では、できる限り多く販売するという。

関へ訪れて楽しんでいただきたいという願いから、通信販売の予定は今のところありません。

提供:日本刀アイス事務局

関を訪れるきっかけに

日本刀アイス事務局によると、関市では今、「五郎丸の仏像」や「モネの池」、「宙に浮く川」など、絶景珍景が話題になっているという。事務局の担当者は「それは関市民としてとても嬉しいことです」と述べたうえで、こう話す。

しかし、何と言っても関市は刃物の歴史が深いのです。誰もが知る刃物の産地です。

関市が、地域の宝として大切にしている日本刀も、もっともっと知ってほしいー。そこで、みんなが大好きなスイーツで、楽しみと話題を提供し、たくさんの人が関を訪れるきっかけになってくれたら、と願っています。

提供:日本刀アイス事務局