ハリル監督、“衝撃発言”の真相激白【前編】 「私のやり方に全員が同意してなかった」

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W杯出場決定の翌日に緊急会見 豪州戦後の言動と去就騒動について口を開く

 バヒド・ハリルホジッチ監督は1日、さいたま市内で記者会見を開いた。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長も同席したなかで、日本代表監督の続投を明言したが、その言葉を本人が口にしたのは会見が始まって20分が過ぎてのことだった。

【後編】ハリル監督、“衝撃発言”の真相激白 「他のところからオファーがあった」

 ただ「ここで仕事を続けます」という言葉を口にするまでは、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選突破までのプロセス、そして自身に対する否定的な見解を報じた一部メディアに対しての言及など、様々なことについての想いをぶちまけた。その質疑前の全文を、前・後編に分けて掲載する。

「昨日の試合後の会見のことを申し訳なく思っています。皆さんの前で長い時間話すことができませんでした。聞きたいこともたくさんあったと思う。これまで誰も知らなかったことも、その時に発言しました。素晴らしいゲームの後のお祝いに水を差したくなかった」

 こう切り出したハリルホジッチ監督。続けて口にしたのは、ワールドカップ出場を決めたオーストラリア戦、そしてまさかの敗戦スタートとなったUAE戦についてだった。

「(オーストラリア戦は)非常に難しい状況下、ほぼパニックにあったなかで戦った試合でした。協会の関係者、選手にもそういう姿が感じられたほどの状況です。このゲームに向けた準備は簡単ではなかった。この合宿に向けた準備で、どれほどいろいろな困難があったかはご存知だと思います。例えばデータでは、オーストラリアに勝ったことがなかった。初戦(UAE戦)を落としてW杯に出場した国がない。そのようなことは私には影響しなかったが、もしかしたら選手には影響したかもしれない。私のところで働いている人も、少し焦っている感じがあった」

「私を攻撃するメディアがあると知っていた」

 そしてメディアとの軋轢に触れつつ、このように続けている。

「私のところを攻撃しているメディアがあるというのも耳に入っていました。しかし私のプライベートなこと、個人的なことはご存知ないと思う。それはあくまでも個人的なことなので、誰にも話していなかったし、私は仕事に集中しようとしました。選手たちの精神的な部分に影響を与えたくないということで、そうしました。代表でデビューする2、3人の若い選手もいましたので」

「私のやり方に、私とともに働いていた人の全員が同意していたわけではなかった。ただ、そのような状況下でゲームへの準備を進めてきました。初めてオーストラリアに勝ったというだけでなく、W杯に出場決定するゲームということでも歴史的だった。私はベストゲームだったと思います。戦術的にもメンタル的にもクオリティーも非常に高かった。そして観客を含めて、みんなが歓喜する姿を見ることができた。(田嶋)会長もこの勝利でホッとされたことでしょう。会長とお会いして話しましたが、試合前は心配事がたくさんあったと思います」

 オーストラリア戦はFW浅野拓磨とMF井手口陽介のゴールで2-0の勝利。試合終了直後に指揮官は、涙を流す場面もあった。その涙は激戦からの想いがあふれたのかと思われたが、試合直後にも触れた家庭の事情があったことも示唆している。

「しかし私は個人的な問題もありましたから、試合後はすぐロッカーに引き上げたいと思いました。だけど、この喜びを選手やスタッフ、サポーターと分かち合わなければいけないと思って踏みとどまりました。私にとって特別な時間になりました。ただ、試合後は記者会見に出席しないと一度は言ったのです」

「昨日の発言は私を批判した方に向けたもの」

「なぜなら私は発言する時に社交辞令でなく、感じていることを言うからです。会見会場に入った時に拍手で迎えられ、非常に感動しました。ただ、皆さんにとっては(応対しないのは)快くない状況だったと思うので、申し訳なく思い、昨日は(個人的な問題の)説明をしました」

 指揮官が一方的に話す形となった会見については、日本だけではなく世界でも伝えられた。その報道も、ハリルホジッチ監督はすでに知っていたようだ。それを契機に、指揮官の口調はヒートアップする。

「昨日の会見の後、フランスを含め世界中で報道されていました。それでこの状況の説明を少しだけしたいと感じている。私の昨日の発言は、私を批判していた方に向けたもの。選手たちに『何を怒っているのですか?』と聞かれたが、批判していた方々に対して発言した。私に敬意を払っていなかった、仕事を評価してこなかった人、批判するためにいた人、そういう人がいるのもノーマルでしょう」

 こうまくしたてた指揮官は、一部メディアに対して溜めていた想いなどをぶちまけていくことになる。

【後編へつづく】ハリル監督、“衝撃発言”の真相激白 「他のところからオファーがあった」

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

田口有史●写真 photo by Yukihito Taguchi