「女性のためのお灸教室」体験レポート

ちょっとした不調を自分で手軽に治せるお灸が人気

お灸は、よもぎから作られるもぐさを皮膚の上に置いて燃やし、その温熱刺激で血行を良くし体のバランスを整えるもの。お年寄りがするものというイメージが強いお灸が、最近若い女性の間で人気上昇中だとか。
なかでも東京・銀座にある「せんねん灸お灸ルーム」が開催するお灸教室は、いつも2カ月先まで予約でいっぱい。そこで、「せんねん灸お灸ルーム」の鍼灸師、福永裕子さんにお話しを伺いながら、人気のお灸教室を体験してきました。

―今お灸が人気なのはなぜでしょう?
従来のもぐさを積んで火をつけるお灸は初心者には扱いが難しいですが、現在はシール付き台座の上に筒状のもぐさが載ったお灸が普及し、誰でも手軽にできるようになったことが理由の一つだと思います。
そして、お灸の特徴は自分でケアができることです。肩こり・腰痛や目の疲れ、足のむくみなど、ちょっとした不調を自分でケアできるお灸が、手軽な健康法として人気なのでしょう。

お灸でケアすることは、自分の体と向き合う機会になる

―お灸は特に女性にいいと聞きますが?
冷えやむくみ、生理痛、便秘など女性にはさまざまな不調が出やすく、こうした症状にお灸はよく効きます。女性には生理周期というバイオリズムがあって、生理中は子宮にいつもの5〜10倍もの血液が集中してしまうため、その分手足に冷えが出やすくなります。冷えに伴って、さまざまな不調が出たり症状の悪化につながったりします。
また、お灸は美肌やリフトアップなど美容面でも大きな効果があります。

―お灸をするタイミングは? どれくらいのペースでするといいですか?
リラックスしている時間がおすすめですが、お風呂の前後30分や食事の直前直後は避けましょう。通院中の人や妊婦さんは、主治医に相談してください。

何か症状があるときは、できれば毎日お灸をするといいですね。症状が解消されたら2〜3日に1回でもよいので、続けることが大切です。そうすることで、体が本来もっている底力、自然治癒力を高めることができ、病気の予防になります。何より、お灸の時間は自分の体と向き合う機会になります。

畳の上でリラックスして「女性のためのお灸教室」

お灸教室の参加者は9割が女性だとか。この日はテーマが「女性のためのお灸」ということで全員女性です。定員5名に対して鍼灸師の講師2人と手厚い態勢! ゆったりした畳スペースに座ると、気持ちが落ち着きます。

はじめはお灸の使い方と注意点、ツボの探し方から。ツボは心や体の不調が皮膚の表面に現れる血行不良のポイント。だから皮膚の血行不良を起こしているところ、つまり皮膚の表面をなでて「凹んでいる」「カサカサしている」「指がひっかかる」「シミがある」ところを探します。

腕の「手三里」は、胃腸の働きをよくするツボ。「ひじの曲がりジワから指幅3本分下」を目安に、その周辺のへこみやひっかかりを探します。右腕2カ所、左腕1カ所に、講師がしるしをつけてくれました。ツボが2つ、3つとあることは珍しくないそうです。ツボの位置は体調によっても変化し、いつも同じ場所にあるとは限りません。

手三里にお灸を据えて少しすると、じわ〜と温かく心地よい感じ。ぴりぴりした熱さを感じたら、ツボの血行不良が改善したしるし。熱さを我慢しないで外します。かつてお灸は熱いのを我慢するほうが効くとされていましたが、熱いと感じる程度でも効果に違いはないことがわかっています。

手三里のお灸のあとに体を反らせてみると、お灸前には突っ張っていた腰が楽に曲がります。腕のツボが腰に効いた……? これは、東洋医学でいう「経絡(けいらく)」(人のエネルギーである「気」が流れる通路)が関係しています。経絡は全身に張りめぐらされて内臓にもつながり、その要所要所にあるのがツボ。だから、手足のツボ刺激で離れた場所の不調が改善できるというわけです。

このほか、女性特有のさまざまな症状に効くツボにお灸を据えました。

・手の「合谷(ごうこく)」:親指と人差し指の骨の交わるところ。頭痛、疲れ目、歯痛、のどの痛みなど首から上の症状に効く。顔に血が上りやすい人におすすめ

・足のすねの「三陰交(さんいんこう)」:内くるぶしの中心から指幅3本分上。女性の一生を通して役立つ、別名「女性のツボ」。骨盤内のゆがみを整えて血行をよくし、冷えやむくみ、生理不順、不妊、更年期障害、肩こり、腰痛などに効く。
・足のすねの「れい溝」:三陰交から指幅2本分上で、向うずねの骨の上。婦人科系の不調によく効き、三陰交と一緒にケアしておきたいツボ。

・足の「大都(だいと)」「太白(たいはく)」:親指つけ根の側面のふくらみを軽くなでて凹んでいるところ。胃腸の調子を整え、水はけをよくする。
・足の親指の「大敦(だいとん)」「隠白(いんぱく)」:親指の内側から足底にかけて、カサカサしたりざらついているところ。疲れ目、めまい、耳鳴り、鼻づまりなど、首から上の症状に効く。

・腰の「腰陽関(こしようかん)」:左右の腰骨の最上部を結んだ線と背骨の交わるところ。月経周期に伴う骨盤の動きを滑らかにし、足腰の冷えや痛みに効く。

教室が終了するころには、体のこわばりが大分とれて気分もスッキリ! さらに、朝からあったのどの痛みがすっかりなくなって、お灸のパワー実感です!

最後に、福永さんに「9月におすすめのお灸」を聞きました。
「夏は冷房や冷飲食で胃腸や内臓を冷やしてしまいがちですが、暑いためにそれほど冷えを感じません。しかし秋になって涼しくなると冷えが表面化してきます。ですから夏の疲れや冷え、胃腸の疲れの緩和に効く足のツボ「大都」と「太白」へのお灸をおすすめします。」

夏の疲れの解消に、不調の改善・予防や健康増進、美容に、皆さんもお灸を試してみてはいかがでしょうか?

(編集・制作 (株)法研)

【取材協力】
福永 裕子さん
セネファ株式会社 せんねん灸お灸ルーム 鍼灸師
2009年より「せんねん灸お灸ルーム」に勤務。健康の秘訣は「お灸」。

※この記事は2014年9月に配信された記事です