張本智和、伊藤美誠【写真:Getty Images】

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テニスやアメフト、ボクシングではベテランが活躍も卓球界では14歳と16歳が躍動

 卓球のチェコ・オープン(オロモウツ)は、男女シングルス・ダブルスのうち日本勢が3種目を占有した。とりわけ、インパクトを残したのが、14歳の張本智和(エリートアカデミー)と16歳の伊藤美誠(スターツSC)だ。卓球界の将来を担っていくであろう若き逸材2人を、ITTF(国際卓球連盟)も特集。公式サイトで「新時代が到来したぞ」と報じている。

 張本智和と伊藤美誠--。2人の共通点は、チェコ・オープンのシングルス覇者であり、それぞれ男子のツアー最年少V(14歳61日)と女子の同優勝(14歳152日)の記録保持者だということ。張本は伊藤の記録を大きく更新する形で、男女を通じて最年少として卓球界の歴史に名を刻んだ。

 ITTF公式サイトも「ハロー、Z世代」とのタイトルで記事を掲載。主に1995〜2008年に生まれた若い年代を差す「Z世代」との言葉を用い、日本が誇る2人の天才を大々的に取り上げている。フォーカスしているのは、他競技との決定的な“違い”だ。

 テニス界では36歳のロジャー・フェデラー(スイス)がウィンブルドン制覇で19回目のグランドスラム優勝を果たし、アメフト界では40歳を迎えるNFLニューイングランド・ペイトリオッツのクォーターバック、トム・ブレイディが昨季のスーパーボウル優勝&MVPを達成。ボクシング界では40歳の元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)が、米総合格闘技UFC2階級王者コナー・マクレガー(アイルランド)を破ってデビュー戦から50連勝の偉業を成し遂げるなど、いわゆる“ベテラン”が依然として第一線に君臨している。

 しかし、記事では「卓球界は異なる」として、張本のチェコ・オープンでの活躍について言及している。

名手ボルに見事リベンジ「彼を優勝に導いたのは、進歩に対する飢えだ」

 張本は1回戦でキリル・ゲラシメンコ(カザフスタン)、準々決勝でクリスティアン・カールソン(スウェーデン)、準決勝でウーゴ・カルデラノ(ブラジル)と、4試合中3試合で最終ゲームまでもつれる熱戦の末に勝利。決勝では元世界ランク1位の36歳ティモ・ボル(ドイツ)を4-2で破り、ワールドツアー初優勝を飾った。

「トモカズ・ハリモト。この強烈な14歳は他の追随を許さなかった。ハリモトは史上最も若い王者となった。彼を優勝に導いたのは、彼の進歩に対する飢えだ」

 今年6月の中国オープン準決勝で敗れた名手に、リベンジを果たした神童を称えている。

 そして次に、日本のエース石川佳純(全農)を破り、シングルスで今季初タイトルを手にした16歳の伊藤について、「ミマ・イトウもフィーチャーすべき存在だ」と紹介している。

 伊藤はブルガリア・オープンで石川にストレート負けを喫して準優勝。その1週間後の“再戦”では自慢の速攻が冴え、過去の直接対決で5戦5敗だった先輩に対して嬉しい初勝利を手にした。

 記事では、「イトウは、ワールドツアーにおいて定番の存在となっている。だが、忘れてはいけない。彼女はまだ16歳なのだ。チェコ大会でも彼女はカスミ・イシカワに土をつけた」として、若き才能の底知れないポテンシャルを高く評価している。

期待の最年少コンビが卓球界の今後を牽引、「やぁ、世界。新時代が到来したぞ」

 チェコ・オープンで張本は史上最年少V、伊藤は今季初タイトルに加えて「ITTFワールドツアーダブルス最年少優勝(平野美宇との合計年数/27歳145日)」でギネス世界記録に認定されるという躍進を受け、テレビでも特集されるほど日本で大きな話題となっていたが、ITTF公式サイトに取り上げられるほど注目度は高いようだ。

「やぁ、世界。新時代が到来したぞ」

 ITTF公式サイトが世界に呼びかけたように、張本と伊藤は期待の新世代として卓球界を牽引していく。