一夜明けて、仕切り直しの記者会見に臨んだハリルホジッチ監督。若手の抜擢登用には、やはり苦悩の跡が……。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が9月1日、オーストラリア戦後の記者会見で質疑応答に応じなかったことを詫び、あらためて報道陣の前で口を開いた。
 
 続投宣言が飛び出すなど注目発言が続いたが、なかでも興味深かったのが、「昨夜のスタメンはどのようにして決めたのか」という問いに対する回答。歴戦の指揮官であっても、少なからず迷いが生じていたようだ。
 
「送り出すメンバーの8割は頭の中でできていた。残りのところはまだ決まり切ってなかったのだが、それはハタチそこそこのふたりの選手についてだ。若い選手を使うことに関して、かならずしも全員が納得していたわけではない。こうしたプレッシャーの中ではたして戦えるのか、力を出し切れるのか。もちろん心配はあったが、最後のトレーニング(水曜日)の後で決断した」
 
 いったんスタメンが決まってからも、コーチングスタッフが慌ただしく動き回ったという。約束事を徹底させるためだ。
 
「個別でも、グループでも、セクションでもこと細かに説明したよ。オーストラリアのメンバーを考えた時、きっと中盤の人数を増やしてくるだろうと予測していた。オフサイドラインぎりぎりで裏を狙える選手を前に置いて、随時ポジションを入れ替えさせながらプレーさせるなど、ルールを徹底した。そうした意思疎通は、試合の直前まで続いたんだ。オーストラリアが予想していた長身選手を起用してこなかったため、さらに微調整が必要になった。中盤でどうプレッシャーを掛ける。誰がどうプレスを仕掛け、逆サイドをどう見るか、どの高さでブロックを作るか。本当に細かい指示ばかりだったが、選手たちはそれらすべてを完璧に実行してくれたよ。これには正直、驚かされた」
 
 インサイドハーフでプレーさせた井手口陽介山口蛍の出来については?
 
「とにかくグラウンダーの速いボールでパスを回せと伝えていて、井手口とホタルにとってはチームでもやっていない役割であり、不慣れなところはあったのかもしれないが、十分に個人の力を見せてくれた。井手口のシュートは素晴らしかったね。彼が代表チームであれだけの重責を担うのはほぼ初めてだが、堂々と戦い、ゴールまで決めてくれた。あのプレーを見せられて、私は誇りに感じたよ」
 
 最後は、「一人ひとりの犠牲精神が素晴らしいチームだ。だからこそまだまだ進化できると信じている。もっとトレーニングの時間を作り、もっとたくさん話し合えればね」と、さらなる成長に自信を滲ませた。