災害に備えましょう。 9月1日は「防災の日」

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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ


災害大国である日本。

地震や台風、大雨など1年を通して災害のニュースが流れていますね。

とくに近年の災害の多さに、何らかの予防対策をとっている人は増えているかもしれません。

今回は、9月1日の防災の日に合わせて、災害や防災について改めて考えてみたいと思います。

「防災の日」とは?

「防災の日」は1960年6月11日、内閣の閣議決定を受けて制定されました。

9月1日に制定されたのにはいくつか理由があり、関東大震災が発生した日(1923年9月11日)であること、戦後最大の被害となった伊勢湾台風が上陸した日(1954年9月26日)に近いこと、そして、立春から二百十日にあたること(台風が多い時期といわれている)などが挙げられます。

このようなことから、災害が起きた場合でも被害を未然に防ぐ、あるいは最小限にとどめられるように、家庭や職場でひとりひとりが防災への意識を高めることをねらいとして制定されました。

ちなみに、これまでの統計では9月16日と26日には、大きな被害をもたらす台風の来襲が多いとわかっています。

そのため、とくに9月は、いつも以上に台風への意識を高めたいですね。

「防災白書にみる」防災に対する意識

先に述べたように、防災の日の目的は「防災への意識を高める」ことです。では、世間は災害や防災に対してどのような意識を持っているのでしょうか?

「平成28年度版 防災白書」によると、「大災害が発生する可能性がある」と認識している人は60%以上にのぼることがわかりました。

しかしその一方で、災害に対して何らかの備えをしている人は37%にとどまりました。この結果を年齢階層別に比較すると、年齢が下がるほど防災意識は低くなり、若年層(15〜24歳の層と25〜34歳の層)では70%近い人が「ほとんど(あるいはまったく)取り組んでいない」と答えました。

また、防災に取り組まない理由について、「大災害が発生する可能性がある」と答える群と「可能性がない」と答えた群を比較すると、後者の方が「機会がない」や「身近な問題と感じていない」と答える人が多いことがわかりました。

この結果を受けて、内閣府は防災への動機づけとして災害リスクを啓発することが大切である、としています。

災害に備えよう

もしものときのために、必要な備えを挙げていきます。

まずは情報に触れる

「防災白書」にあるように、防災への意識を高めるためには、情報に触れることが重要になります。

首相官邸や内閣府、消防庁、気象庁などは、各ホームページやTwitterで防災に関する情報提供を行っていますし、テレビ局も一刻も早く情報を放送しています。

また、自治体などでも住んでいる地域に合わせた情報を公開しています。まずは、このような情報に触れることから始めてみましょう。

家具の配置を見直したり、倒れないように固定する

とくに地震の場合、家具が倒れて下敷きになることで命を落とすことがあります。そのため、寝室や子ども部屋、各部屋の出入り口付近には背の高い家具は置かないようにしましょう。

また、専用の金具やストッパーなどを使って家具が倒れないようにします。食器棚などは倒れた勢いでガラスが割れ、ケガの原因になることがあります。飛散防止のフィルムを貼るなど、対策を講じておくと安心です。

食料・飲料水を備蓄する

電気やガス、水道などが止まることを想定し、食料や飲料水を3日分備蓄しておくようにしましょう。また、大災害に備えて1週間分備蓄しておくと、より安心できるでしょう。

とくに水に関しては飲料水(ひとり1日3リットル)に加えて、生活用水用も確保しておくようにしてください。

また、見落としがちなのが賞味期限です。災害用の食料や飲料水は賞味期限が長いものが多いため、ついつい忘れてしまいがちですが、それぞれ賞味期限があります。

ですから、1回揃えたら終わりではなく、定期的に賞味期限が切れていないかを確認し、古いものは新しいものと取り換えておくようにしましょう。備蓄の食料を日常で使いまわしていく「ローリングストック」は無駄がありません。

非常用の持ち出しバッグを用意する

救急用品、ヘルメット、マスク、ラジオなどを収納した非常用のバッグを用意しておきましょう。内容については首相官邸のホームページで紹介されていますので、参考にしてみてください(首相官邸『災害に対するご家庭での備え〜これだけは準備しておこう!』http://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html#c6)。

さらに、ふだん飲んでいる薬がある人は常備薬を、女性の場合は生理用品を、小さな子どもがいる場合は紙おむつやミルクなどを、といったように家族構成などに合わせて必要なものを加えるようにしましょう。

災害時に家族と連絡をとる手段を確認する

災害時は、一度に多くの人が家族や親しい人と連絡を取ろうとするため、電話がつながらなくなります。

そのため、災害伝言ダイヤルを利用する、待ち合わせ場所を事前に決めるなど、万が一に備えて安否確認の方法や連絡手段を話し合っておくようにしましょう。

避難場所を確認する

自分の住んでいる自治体や職場がある地域の避難場所や避難経路を確認しておきましょう。また、職場ごとに災害時の対応策が決められているところもあるため、改めて確認しておくことも大切です。


備えあれば憂いなし。「防災の日」をきっかけに、防災への意識をもう一度見直してみましょう。

【参考】
・内閣府『平成28年度版 防災白書』(http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h28/honbun/index.html)

<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供