熱戦から一夜明け、昨夜のヒーローは余韻から抜け出していた。運命のオーストラリア戦で、チーム最年少のMF井手口陽介(G大阪)はA代表3キャップ目で初ゴール。W杯出場を懸けた決戦で鮮烈なスーパーミドル弾を叩き込み、一躍、時の人となった。日本中を沸かせた21歳は「僕自身は実感はない。ラインで連絡があるとめでたいことなんだなとは思う」と淡々と話した。

 すでに視線を切り替えた。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督を中心に円陣を組み、約12分間に渡ってミーティングを行った。「まだ1試合残ってますし、監督自身も誰を使うかわからないと言っていた。明日からの練習でしっかりアピールして、また試合に出られるように準備していきたい」。連続先発を目指し、視線を5日のサウジアラビア戦(ジッタ)に向けた。

 ロシアW杯への出場切符をつかみ取り、1年弱の新たな競争が始まった。井手口にとってW杯は「小さい頃からの夢のような場所」だという。来年6月にはロシアでの活躍も期待されるが、「あんまり実感がない。近づいてみないとわかんないですね」と率直に明かした。

「コミュニケーションをとっていけば守備はもっとうまくはまると思う。守から攻への切り替えはまだ遅いと思うし、僕自身も簡単なミスをしないように修正していきたい」。ここからの上積みを誓う若武者は夢舞台を視界に捉え、さらなる成長を誓った。

(取材・文 佐藤亜希子)


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