待機児童の解消に向けて保育園の増設が進む中、吉祥寺南町(東京都武蔵野市)に来年4月に開園する予定だった保育所が、近隣住民の反対で開園延期になったという。8月末に読売新聞が報じた。

開園延期の報道は反響を呼び、はてなブックマークのコメント欄には、400件近い書き込みが寄せられた。「文句言ってる大人もみんな昔は子供だった」と保育園の開園に理解を求める声もあったが、「マジで隣近所にできてみなよ?絶対迷惑だと思うぜ?」と近隣住民に理解を示す人も少なくなかった。

「4月の開園に踏み切るには理解が不十分だと判断」

武蔵野市・子ども家庭部の担当者は、キャリコネニュースの取材に対して、「近隣住民から強い反対が出て、開園に支障を来しているというのは誤解だ」と説明した。

「反対している人もいますが、賛成してくれている人ももちろんいますし、『仕方がない』と理解してくれている人もいます。ただ来年4月の開園に踏み切るには、理解が不十分だと判断しました。保育園の利用希望者に周知するため、開園延期を決めましたが、あくまで延期をしただけで、計画を白紙に戻したわけではありません。来年度中には開園する予定です」

また「武蔵野市全体では待機児童対策が着実に進んでいる」とも語る。来年4月には吉祥寺本町や武蔵境駅周辺に計5つの保育園(定員336人)ができる予定だ。同市の待機児童は現在120人。年齢によって保育園の定員にバラつきがあるほか、地域差もあるため、全員が入園できるわけではないものの、待機児童の大幅な減少が期待できる。

2016年には杉並区や市川市でも保育園開設に住民が反対

東京都福祉保健局が7月に発表した「都内の保育サービスの状況について」によると、待機児童の数は2017年4月時点で8586人。待機児童が最も多いのは世田谷区(861人)で、目黒区(617人)や大田区(572人)がそれに続く。認可保育所の数は2558か所で(2017年4月時点)、前年よりも216か所増えているものの、待機児童の解消にはほど遠いのが現状だ。

しかし保育所を増設しようにも地元住民の理解が得られないこともある。2016年5月には、杉並区が区有地を利用して、新たに30か所の保育所を新設すると発表。地元住民からの反発を招いた。

同年4月には千葉県市川市でも、近隣住民の反対によって保育園の開園を断念するということがあった。同市の待機児童数は2016年10月時点で514人と全国で4番目に多い。