なぜファーウェイのスマホカメラは「写真好き」に好まれるのか?写真の味まで再現できた秘密を探る

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スマートフォンカメラは、サッと出して、ササッと撮れる。
メモ感覚で写真を撮影できる手軽さが最大の魅力の一つだ。

しかし最近では、各社のスマートフォンはカメラ機能や画質が向上し、今や単焦点レンズを搭載する立派なカメラと言えるまでになった。

ハードウェア面では、厚さ1cmに満たないスマートフォンの中に
・オートフォーカス対応のレンズエレメント
・光学式手ブレ補正を搭載
している。非常に薄い本体という制約があるにも関わらず、画質面では専用機のデジタルカメラに劣らず、周辺(四隅)が流れることがない高画質を実現している。

そんなスマートフォンのカメラの中でも最近、写真好きな人から高い評価を得て、人気も高いファーウェイのスマートフォンカメラの魅力についてチェックしてみたい。


ファーウェイは日本でSIMフリースマートフォン、いわゆる「格安スマホ」が話題となり始めた時期には既に「Ascend」シリーズを投入していた。
「Ascend」シリーズは、ミドルクラスの「P」シリーズ、そして2015年にはダブルレンズを搭載する「honor6 Plus」を発売している。

当時のファーウェイのスマートフォンhonor6 Plusや「HUAWEI P8」は、決して現在ほどのカメラ画質という印象はなく、コントラストがやや高めで、カラーバランスがコントロールされた画作りを行っていた。
また、廉価モデルとなる「HUAWEI P8lite」では、青が強いカラーバランスであったし、突出して綺麗と言うわけではなく、いわゆる良くあるスマートフォンのカメラ画質だった。

それぞれの端末はファーウェイ独自の「EMUI」によってUI(ユーザーインターフェース)は統一していたものの、カメラ機能や画質においてはモデルによってバラツキがあり世代が入り交じっていたという印象だ。

しかし、2016年にファーウェイのスマホカメラは大きな転機を迎える。
カメラ機能に注力した「HUAWEI P9」を発売したのだ。
P9は特に説明が要らないほどのイノベーションを起こしたモデルだ。

ライカのダブルレンズ、そして1200万画素の2つのイメージセンサーは、それぞれRGBセンサー(カラー)とモノクロセンサーを組み合わせることで、ディテールや階調表現を、それ以前のモデルから飛躍的に向上させ、豊かにした。

その後、第2世代ライカダブルレンズを搭載する「HUAWEI Mate 9」、そして今年6月に発売された「HUAWEI P10」および「HUAWEI P10 Plus」では、モノクロセンサーを2000万画素にアップすることでより精細な画質となった。さらに1200万画素相当にトリミングすることで画質を損なわない2倍ハイブリッドズームまでも実現している。




ファーウェイのスマートフォンカメラ、最大の特徴といえば、honor6 Plusから始まるファーウェイ独自のダブルレンズだろう。

ファーウェイ独自のダブルレンズの大きなメリットが、後からピント位置やボケ量をコントロールする「ワイドアパーチャ」機能だ。
この機能により、スマートフォンのカメラでありながら、一眼カメラで撮影したように背景をぼかした写真が楽しめるのだ。

「ワイドアパーチャ」機能は、スマートフォンカメラにとって画期的な機能に間違いはないが、距離情報のサンプリング精度が低いためなのか、被写体の輪郭が不自然に見えることがある。あくまで表現方法の一つとして、パラメーターを調整しながら上手く付き合っていくのが、良いだろう。過信は禁物だ。




ここまでカメラにこだわる必要があるのか?

とさえ思うファーウェイのスマートフォンだが、
実は、多くの写真好きなユーザーを惹きつけているのは、機能よりも、
「カメラの画質」
に魅力を感じているからではないだろうか?

P9が出るまでは世代ごとに色の出し方や画質などで進化はしてはいるものの、ほかのスマートフォンのカメラにはない個性を感じることはなかった。




一般ユーザーに受ける画質を目指すなら、極端な話し
「ヌケの良いコントラスト」と、「色鮮やかに見える高い彩度」
を実現すれば、インパクトがある写真になる。

ファーウェイでも、honor6 Plusでの画作りがそれに近かった。
しかしライカのレンズを搭載するP9から、大きく変わったのだ。

ライカの画質を意識したカラーモードを搭載するなど、本格的なカメラで撮影された「写真」に近づける画作りへと、目指す写真画質の方向性に変化が見られはじめたのだ。




さらにP10シリーズでは、独自のトーンが完成されており、P10画質と呼んで良いほどの
写真としての「良い味」を表現するに至っている。

これは、カメラ好きの人や、一眼レフカメラでの撮影経験の長い人であれば、理解できるかと思うが、フィルムカメラ時代には一眼レフカメラのレンズの個性や、コンパクトカメラの独特の写りなど、その機材だけでしか表現できない「味(=画質)」があった。




P10は、フィルムカメラのような独特の「トーン」や「色の濁り方」がある。

それがカメラや写真の「通」好みを刺激したり、求める画質にマッチしたりしているのかも知れない。

また、こうしたファーウェイのスマートフォンカメラの写真画質は、
スマートフォンのカメラづくりを通して、ライカ画質をスマートフォンでも再現するための作り込みを続けてきた結果だと感じずにはいられない。

P10シリーズのカメラで撮影された写真は、けっして、昨今の派手さを強調するようデジタル画質ではない、派手すぎず、適度なトーンで色を再現する画作りだ。

では、この魅力の根本は、なんなのか?
改めて調べて見た結果、新たな魅力を発見することができた。

それはレンズの性能だった。

高性能なレンズは周辺まで解像度が高く、さらに周辺減光もないことが求められる。
特に最近のハイエンドスマートフォンでは、レンズのクオリティも高く、こうした基準は軽くクリアされている。


P10のRAWデータはフィルムコンパクトカメラのようなレンズの味がある


スマートフォンのカメラで撮影されたJPEGデータは、画作りの段階で各種補正がかかるため、レンズの性能をすべて見ることができない。
しかしRAWデータ撮影すれば、補正前のカメラ本来の撮影データを見ることは可能だ。
そこで分かったのが、
P10は周辺までの解像度は高いが、周辺減光があり四隅が暗く写っているのだ。

この周辺減光は、JPEGデータでは気付かない程度に補正されている。
もちろんこの周辺減光だけが、P10画質の味になっているとは言えないが、P10が持つカメラの魅力を一つ掘り起こせたように思う。


RAWデータでわかる周辺減光が発生しないP9のカメラ


改めてRAW撮影可能なファーウェイのスマートフォンの中から、P9とMate 9も調べてみた。

すると、P9は周辺減光がなく、Mate 9で周辺減光が確認できた。

Mate 9から第2世代ライカダブルレンズを搭載しており、そのあたりも関係しているのかも知れない。


P10よりも中央と周辺の明るさの違いがありドラマチックに感じるMate 9。こちらもRAWデータそのまま


カメラやレンズを語る上で、周辺減光はマイナス要素だ。
しかし、写真表現としては、それが良い味になることも多々ある。

とはいえ、ファーウェイのスマートフォンも、次の世代モデルからレンズ性能をさらに向上させ、ダブルレンズでも周辺減光がなくなる可能性はある。

その時はどんな画作りになるのか気になるところだ。
それらを踏まえて、敢えてRAWデータベースでの周辺減光があるP10を使い続けるという人もきっといると思う。
それくらいカメラに対する強い思い入れを持つ人はカメラや写真好きには多いからだ。

そうしたカメラや写真好きが、愛着をもてて、選びたくなるスマートフォンが今後も出てくることに期待したい。


執筆 mi2_303