貯めることが辛い、という人は貯める理由を間違えていることがほとんどです。貯めることは「目的」ではありません。では本当の「目的」とは何でしょうか?

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貯めるのが辛い?それは当たり前です

貯められない人のほとんどが、「貯めると今、目の前の生活が苦しくなるから無理ですよ」といいます。私もファイナンシャル・プランナーの資格を取る前は、ほとんど貯金ゼロの生活をしていましたので、その気持ちはよく分かります。

貯めるのが辛いのは当たり前ですが、その発想は、当たり前のようで実は大きな勘違いがあります。今回は「貯める」の勘違いをマネーハックの逆転の発想法で考え直してみることで、その貯まらない理由を整理してみたいと思います。

貯まらないという人にはやはり、貯まらない理由があるのです。

貯めることがゴールだと勘違いするから貯めたくないし、貯められない

貯めることは目の前の生活を何か切り詰めることに他なりません。人生において、何も考えずにお金を使っていて、知らずにお金が貯まるほど稼げることはほとんどありませんので、貯金はガマンとセットです。

ガマンすればそれは苦しくしんどいことであり、できれば避けたいことになります。

貯まらない人が、貯められない理由を行動ファイナンスで学問的に説明しようとすれば、プロスペクト理論による損失回避行動が生じている、とか、近視眼的判断が働いてしまい投資のリターンが過小評価されてしまうためだとか、現状維持バイアスが働いて、変化を嫌う傾向がある、とかいろいろ説明はできます。

しかし、根本的に間違っている理由のひとつを、シンプルに説明すれば、こういうことです。「貯めることが目的」であり「発想がそこで終わり」になっていることが間違いなのです。

貯めることそのものがゴールと誤認されている限り、貯めることであきらめた出費は苦しさだけが残ります。だから続けられません。では、正しい「貯める発想」とはどんなものでしょうか。

貯めることは目的ではなくその先に目的がある

「半年後に旅行に行くから毎月貯金する」というのは誰でも考える貯金の目的ですが、実は、ここに貯める理由の作り方が隠されています。

「使ってしまうことのための貯金が重要だなんて?」と驚く人もいるかもしれません。しかし、その発想はとても重要なことです。まず目的があって、その手段としての貯蓄が成立しているからです。

確かに貯めることはつらさを伴いますが、そのガマンは最終的に報われます。「旅行」というゴールが待っているからです。目的があるからこそ、毎月の貯金を続けることができます。仕事をがんばる励みにもなります。

そして、目標が実現したあとでかける楽しい旅行は、それまでの貯金の苦労を帳消しにしてくれることでしょう。もしかすれば頑張った末のご褒美ということで満足度をさらに高めるスパイスになってくれるかもしれません。

無目的では頑張る理由が見つかりませんので続きません。そして貯めることそのものを目的にしても貯金は続けられません。貯める目的はそのあとにあるはずなのです。

早く、そしてたくさん目的に気がつくことが貯まる近道

旅行だけが人生の貯める目的ではありません。その発想をライフタイム全体に広げていくことでまた別の「貯める理由」が見つかってくるはずです。

・結婚を意識したら結婚資金を貯める
・車や大型出費を実現するためお金を貯める
・住宅購入を果たすため頭金を貯める
・こどもが生まれたので学費の積み立てを始める

というような具体的イベントが思い浮かべば、具体的な目標金額もはっきりしますし、貯金をがんばることもできます。貯める目的がちゃんとあるからです。どんどん目的を考え、そのための行動を起こすことが大切です。

そして、もっともっと先の時間軸を意識し、定年後も楽しく豊かな人生を送りたいと想像することができれば、老後のための資産形成も必要だということが分かるはずです。

早く気づけば毎月あたりの積み立て額は少なくてもゴールに近づくことができます。たくさん気がつくことができれば、お金のニーズに気がつかず将来焦ることが減るでしょう。無理矢理やりくりをして別のニーズを断念することもなくなります。

小一時間くらい集中し、自分がお金を「貯める目的」、リスト化してみてはどうでしょうか。貯める苦しみからあなたを解放してくれる「目的」がみつかるかもしれません。(文:山崎 俊輔)