約20年前の企画に再挑戦した劇団ひとりが自身の半生を振り返る

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映画「T2 トレインスポッティング」Blu-ray&DVDの9月6日(水)発売を記念し、劇団ひとりが作中のキャラクターに扮(ふん)する“なりきりコラボポスター”が制作された。その撮影現場で合同インタビューが行われ、ひとりが作品にまつわる話や自身の半生について語った。

【写真を見る】完成したコラボポスター。ひとりは手足の角度まで完全再現/(C)2017 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.

本作は、1996年に公開され世界中で話題となったイギリス映画「トレインスポッティング」の続編。前作から20年後を舞台に、かつて大金を持ち逃げした主人公のマーク・レントン(ユアン・マクレガー)など、4人の男たちを主軸にした“その後”の人間ドラマが描かれる。

約20年前にも雑誌「犬田号」の企画で「トレインスポッティング」のキャラたちに扮し、ポスターのパロディーを行っているひとり。今回は、映画と同様に20年の時を経たひとりが、再び同じキャラたちになりきってポスター撮影に挑むという企画になっている。

――20年ぶりにキャラクターに扮してみていかがですか?

20年前に自分がこういうことをやっていたのをすっかり忘れていたので(笑)、またこうやってできてうれしいですね。なんだか懐かしいです。

――今はレントンのご格好ですが、レントンに扮するにあたってこだわった点はありますか?

特にないですね(笑)。髪型もご覧の通り七三分けですし、どこら辺がレントンなのかっていうところがありますが、そこは気持ちということで(笑)。

――ご自身の20年前のポスターをご覧になった感想は?

そうですね…。この時に「トレインスポッティング」のパロディー写真を撮るっていうのは、なかなかいいセンスをしているんじゃないですか?(笑)  これは20歳ぐらいで、作品を見た直後に撮ったかと思うんですが、当時は“「トレインスポッティング」を見ておけばおしゃれ”みたいな感覚がありましたからね。

――撮影していて当時のことを思い出したりはしましたか?

いや、全然思い出せないですが、当時はそんなにお金も無かったから自前で用意できるものは自前で用意した記憶がありますね。レントンのTシャツなどは自前だった気がします。

――このポスターを撮られた20年前の頃はどういった状況でした?

下積み状態でしたね。でも、ちょうど世の中に「若手お笑いブーム」が来るか来ないかぐらいの時期で、若手芸人がアイドル視されているような時代だったんです。それで僕らもすっかり勘違いして(笑)。事務所もジャニーズみたいにファンクラブや会報を作って。それで、当時太田プロの若手芸人だけで作った本の一企画としてやったのが、この「トレインスポッティング」パロディーでしたね。

――作品についてもお伺いしたいのですが、この「トレインスポッティング」というシリーズの魅力は何だとお考えですか?

旧作については、当時すごく真新しい映画でしたよね。良いか悪いかは別にして、あそこまでドラッグをスタイリッシュに描いている映画って無かったと思うんです。すごくサブカルっぽい匂いもしながらエンターテインメントとしてちゃんと成立していて、僕も当時は衝撃を受けましたね。

――今回の新作はご覧になっていかがでしたか?

すごく面白かったですよ! 相変わらずみんなバカで、あんまり救いもなくて、なんだか「トレインスポッティング」らしいなと思いました。だいたいこういった“20年後を描く”などの作品って、ちょっといい話にしようとしたりするじゃないですか。それなのに、今作はそんなにいい話じゃない(笑)。でも、そこがいいですよね。普通は“今は真面目にやっていて、家族がいて、「あの頃の俺とは違うんだ!」”みたいなシーンを描きたくなるところですけれど、みんなほぼ20年前と一緒ですからね(笑)。ちっとも成長していない感じが、割り切っていてすごくいいと思います。

――ひとりさんも彼らと同じく20年ほど年を重ねましたが、ご自身の変化はどうですか?

僕はこの20年でものすごく成長したんじゃないですかね。当時は「芸能界に風穴を開けてやろう、天下取ってやろう」と息巻いていましたが、今は本当に“細く長く”っていう気持ちで生きていますから(笑)。波風を立てぬように、3〜4番手でやっていけたらという気持ちです(笑)。

――ひとりさんにとって、この20年でターニングポイントとなったのはいつでしたか?

この20年前のポスターを撮った3〜4年後に当時組んでいたコンビが解散することになって、ピン芸人になったことが芸能人生でのターニングポイントだったんじゃないかと思います。相方に逃げられるというショッキングな出来事でしたが、あれが無かったら今は無いし、仮にコンビが続いていたとしても芸能界でどれぐらいまで行けたのかは分からないですけどね。

――それだけショックな出来事が起きて、「芸人を辞めよう」などとは考えませんでした?

それに関しては、本当に僕はツイている人間なんです。というのも、コンビを解散したその日に太田プロの先輩方が集まって下さって。そこで「今後はどうするんだ」と聞かれたのですが、当時の僕としてはコンビでしか芸をやっていなくて、また新しいコンビを組むという選択肢しか無かったから、「相方を探すまではちょっと休もうかな」なんて思っていたんです。そうしたら、デンジャラスの安田(和博)さんが「そうやってちょっと休むって言って辞めていった芸人を何人も知っているから、おまえはもう明日から何かやれよ」と言って下さって。その言葉がえらく自分の中でしっくりきました。

当時は給料なんて全然もらっていなかったこともあり、アルバイトで月に15万ぐらい稼いで暮らす方がよっぽど生活としては安定しているし楽しいかなとも考えたんです。でも、もし本当にそうしたらその生活にあぐらをかいてお笑いから離れちゃうんじゃないかと思って。それで、早速次の日からピン芸人として活動することになりました。「いずれはコンビを組むかもしれないけれど、まずピンでやれるだけやろう」と。偶然にも、コンビ解散の直前にもお笑いライブにピンとして遊びで出ていてそのネタが使えたので、今思えばいいタイミングでいろいろなことがありましたね。

――昔について振り返っていただきましたが、逆に20年後のご自身はどうなっていると思いますか?

60歳ですか! 20歳の頃は「何が何でも(ビート)たけしさんになってやるんだ」という気持ちでやっていましたけど、こうして40歳になると自分の技量も分かって「とてもじゃないけど追いつけない」と分かりましたからね。だから、うーん…渡辺正行さんぐらいがいいかな(笑)。20年後、渡辺正行さんぐらいのポジションにいられたら僕は大満足です(笑)。

――本作には「人生を選べ、未来を選べ」というキーワードがありますが、もしひとりさんが今の芸人以外の人生を選べるとしたらどんな人生を歩んでみたいですか?

そうだなぁ…。本当に僕ってすごく真面目なんですよ。だから、この映画に出てくるようなむちゃくちゃな生き方もしてみたいですけどね。他には、AV男優とかやってみたいです (笑)。僕、(AVを)すごく見ているんですよ。で、やっぱりいつかは画面の中に飛び込んでみたいですよね(笑)。僕は“バスツアー”の作品が好きなんですが、別の人生があるなら一度でいいから参加してみたいなとは思います(笑)。

お笑い芸人として「やりたいようにやって、生きたいように生きるんだ」と思ってこの世界に入ったのですが、今のご時世がね。一昔前はお客様も「芸人は“飲む打つ買う”でしょ?」ぐらいのイメージだったじゃないですか。それが今は芸人でさえも“聖人君子でなくちゃならない”みたいな雰囲気がありますからね。やっぱり、来世ではバスツアーに参加したいですね(笑)。

――ちなみに今の一推しセクシー女優さんはどなたですか?

鈴村あいりさん。好きなんですよ(笑)。

――ひとりさんは「ゴッドタン」(2005年〜、テレビ東京)でもさまざまなセクシー女優の方と共演されていますが、印象的だった方は?

みひろさんの芝居は本当にうまかったです。セクシー女優さんと普通の女優さんの垣根を取っ払っても、僕が共演した女優さんの中でトップ3に入るぐらいで、本当に魅了されました。みひろさんの作品は全部持っているくらいです(笑)。