北朝鮮の謎めいた「ファーストファミリー」  第3子誕生か

写真拡大

北朝鮮については謎が多い。最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の私生活も、その一つだ。

しかし韓国情報機関の情報によると、金委員長の妻・李雪主(リ・ソルジュ)さんが今年2月に3人目の子供を出産したようだ。

李夫人が公の場に出て来なくなったことから、妊娠の憶測が2016年から出始めていた。

上の子供2人は、2010年と2013年に生まれたとされているが、金委員長に男子後継者がいるかはまだ不明だ。というのも、第1子と第3子の性別がまだ判明していないので。

第2子が「ジュエ」という名の女の子ということだけ、分かっている。金委員長と予想外に親しい友人関係にある、米バスケットボールの元スター選手デニス・ロッドマン氏が2013年、英紙ガーディアンとのインタビューで口を滑らせたのだ。

ロッドマン氏は、訪朝時に金一家と「海辺でのんびり」過ごしたと言い、正恩氏のことを「すてきな家庭を持つ」「いいお父さん」だと描写した。

なぜこれほど謎が多いのか

北朝鮮の国営メディアが、国の指導者が家族と過ごす私生活について伝えることはほとんどない。

金正恩氏がどのように育てられたかについて、多くは知られていない。同氏が公の場に初めて姿を現したのは、父親が亡くなる直前の2010年9月になってからだった。

正恩氏がいつ生まれたのかさえよく分かっていないが、1983年か1984年とされている。

祖父の金日成氏(朝鮮民主主義人民共和国の建国者)が公の場で妻子と一緒にいる姿は、頻繁に目撃されたし、写真も多く残っている。

しかし正恩氏の父親で前任の最高指導者だった金正日氏は、それに比べると私生活を表に見せなかった。正日氏には少なくとも4人のパートナーがいるとされていた。成恵琳(ソン・ヘリム)、金英淑(キム・ヨンスク)、高英姫(コ・ヨンヒ)、金玉(キム・オク)の各氏だ。正日氏の女性関係が公の目に触れることはほとんどなかったが、男子3人と女子1人が生まれた。

そして正恩氏は2012年、公式行事に女性を同行した。この女性が誰なのか、様々な憶測が飛び交った後、国営テレビが名前を「李雪主同志」だと伝えた。しかし2人は、この3年前には結婚していた可能性が高い。

複雑な継承順位

三男の正恩氏は、後継者として本命視されていなかったが、正日氏が2011年12月に死亡した後、後継者に指名された。

異母兄の金正男氏が今年2月、空港で暗殺されると、金に注目が集まった。

今年3月には、正男氏の息子だと主張する金漢率(キム・ハンソル)という名の男性の、謎めいたビデオがオンライン上に表れた。このこともあって、正恩氏に男子継承者がいるかどうかは、いっそう重要なポイントとなっている。

北朝鮮の建国原理は2013年8月、改定されたと言われている。「白頭血統」の支配権を正式に記し、金王朝が今後も北朝鮮の指導的立場を継いで行くことを正当化するためだ。

金委員長の妻とは

李夫人自身についてはほとんど知られていないが、広く流布しているのが、歌を披露中に金委員長の目に留まった歌手だったという説だ。

同姓同名の北朝鮮の歌手がいるが、同一人物だとは確認されたことがない。

そして夫妻の間には子供が3人いると専門家たちは見ているが、この根拠は、李夫人が理由説明のないまま公の場に姿を見せなくなったり、また現れたりするから――というだけにすぎない。正式には確認されたことがない。

李夫人の西洋風の服装や公の場で見せる夫とのリラックスした関係は、米国のミシェル・オバマ前大統領夫人のスタイルと比べられた。

そのため金委員長は穏健な指導者になるのではと期待する人たちもいたが、実際には一連のミサイル発射実験で北朝鮮の対外関係は劇的に悪化している。

(英語記事 Keeping up with the Kims: North Korea's elusive first family)