守備のタスクをこなしつつ、攻撃でも持ち味を発揮。14分に左足で放ったシュートは「枠に飛ばしたかった」。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[ロシアW杯アジア最終予選]日本 2-0 オーストラリア/8月31日/埼玉
 
 ワールドカップ出場が懸かるオーストラリアとの大一番でスタメンに抜擢され、75分までプレー。左ウイングで起用された乾貴士は、決定的な仕事はなかったものの、確かな存在感を放っていた。

 
 とりわけ「守備の部分で厳しい状況になるのは分かっていた」と言うように、何度もピンチを未然に防ぐ精力的なプレスバックは際立っていた。
 
「(左サイドで)1対1の場面を作られると、(長友)佑都くんの負担が増えてしまう。そこは助けにいけるように、考えながらやっていた」
 
 乾なりの守備のビジョンは、「ひとりでやるものではなく、チーム全体でやらないとハマらない」だ。その点では充実感があった。
 
「(井手口)陽介もすごく助けてくれて、ハセさん(長谷部誠)もカバーに入ってくれたり、佑都くんもどんどん前に来てくれた。みんなが助け合ってやれたのが良かった」
 
 もちろん、攻撃面で持ち前のドリブルテクニックを披露する場面もあった。14分、右サイドからカットインして、巧みなステップで敵をかわし、左足で惜しいシュートを放つ。
 
「あんまり、あの形はないんですけどね(笑)。そこまで左足では打たないので。でも、(シュートコースが)開いたので、思い切って打ってみました。枠には飛ばしたかったですけどね」
 
 守備のタスクをしっかりとこなしつつ、フィニッシュワークに顔を出す回数をさらに増やしていく。「そのへんは、どんどん出していかないと」熾烈なレギュラー争いには勝てないと理解している。
 
 左ウイングのライバルは少なくない。乾自身も「勘違いされたくないですけど、自分が選ばれなくても仕方がないと思える面子が揃っている。それは認めている」と語る。
 
 原口元気、武藤嘉紀、宇佐美貴史――。タレントがひしめく激戦区をいかに勝ち抜いていくか。ロシア行きを決めた一戦で活躍を見せた乾が、今は一歩リードといったところか。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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